スタインウェイ製の音と歴史 ピアニスト中川さん 酒田で生演奏と仕組み解説
ピアニストの中川賢一さんを招いた夏休み特別企画「中川賢一と学ぶスタインウェイ」が1日、酒田市の希望ホールで行われ、市内外から親子連れら76人が参加。中川さんが生演奏を挟みながらピアノの仕組み、スタインウェイ社の歴史について講話した他、午後からは公開レッスンも行われた。
分解したピアノの鍵盤をたたき、その様子を披露する中川さん=1日午前
市文化芸術基本条例(2018年4月施行)を踏まえ、市民組織・市文化芸術推進プロジェクト会議(会長・工藤幸治市芸術文化協会長、事務局・市社会教育文化課文化芸術係)が、希望ホールにもあり、世界中の演奏家に愛され続けているスタインウェイ製ピアノを解体し、その構造、同社の歴史について理解を深めてもらうとともに、世界に羽ばたくピアニスト育成に向け、初めて企画した。
この日は、中川さんによるムソルグスキー「展覧会の絵」の演奏で開幕。市内在住のピアノ調律師、高橋俊樹さんが鍵盤部、大屋根を外し、中川さんはその仕組みについて分かりやすく解説した。
弦の上にピンポン玉を載せて中川さんが鍵盤をたたくと、玉は踊るように跳ね上がり、参加者から拍手が湧き起こった。
また、ドイツ出身のヘンリー・スタインウェイ(1797―1871年)が1853年、米国・ニューヨークで設立した同社について、中川さんは「社名には『&Sons』と付く。スタインウェイが56歳で起こした会社を息子たちが大きくしたため」「スタインウェイ製ピアノは何といっても堅牢(けんろう)で音が豊か。128ともされる数多くの特許を取っている」「1884年製造のピアノは今のピアノとほぼ同型」などと紹介した。
午後からは、ピアノを習っている市内外の児童・生徒7人が中川さんのレッスンを受けた。3日(火)午後1時からは7人による演奏会が希望ホールで開かれる。入場無料。
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