全国郷土紙連合

全国12新聞社加盟kyodoshi.com

北海道から沖縄県石垣島まで、南北に長い日本列島。今日もどこかでホットなニュースが生まれる。

西表島 世界自然遺産決定 沖縄島北部、奄美大島、徳之島も ユネスコ、生物多様性を評価

世界自然遺産に登録された西表島。島の9割が亜熱帯の原生林に覆われている。仲間川には河口にかけて日本最大規模158㌶のマングローブ林が広がる=6月11日、西表島仲間川

 オンラインで開催中の国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第44回世界遺産委員会拡大会合で26日、日本政府が推薦した「奄美大島、徳之島、沖縄北部及び西表島」(鹿児島、沖縄)を世界自然遺産に登録することを正式決定した。島の成り立ちを反映した独自の生物進化を背景とし、国際的にも希少な固有種に代表される「生物多様性」の保全上重要な地域であることが評価された。国内の自然遺産は屋久島(鹿児島県)、白神山地(青森、秋田県)、知床(北海道)、小笠原諸島(東京都)に次ぐ5件目。

 登録区域は、日本列島の南端部約1200㌔にわたり弧状に点在する琉球列島の一部。4島にまたがる登録地の面積は4万2698㌶(西表島2万822㌶、沖縄島北部7721㌶、奄美大島1万1640㌶、徳之島2515㌶)。その大部分が森林だ。

 かつて4島はユーラシア大陸とつながっていたが、約1200万~200万年前の地殻変動や海面変化で切り離され島々を形成。閉ざされた島の環境下で生き延びたイリオモテヤマネコやヤンバルクイナ、アマミノクロウサギに代表される多くの動植物が希少な固有種として独特の進化を遂げてきた。現在、登録地には国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストの絶滅危惧種95種(うち75種は固有種)を含む陸生動植物が生息・生育している。

 今回、世界遺産条約締結国から約40件の世界遺産リストが提出され、世界遺産委は沖縄・奄美の登録地について、諮問機関であるIUCNがまとめた「登録が適当」との勧告を踏まえ希少な固有種が多いという価値を認めた。一方、ユネスコは指摘事項として観光客の抑制策を要請したほか、希少種の交通事故を減らす取り組みを検証し、必要であれば強化することも求めている。

 現在、日本で世界自然遺産に推薦されている他の地域はなく、沖縄・奄美が国内で最後の世界自然遺産登録になるとみられている。

 4島の世界遺産登録を巡っては、政府が2018年夏の登録を目指し、17年2月にユネスコへ推薦書を提出。IUCNは18年5月、沖縄北部の米軍訓練場返還地が推薦地に含まれていないこと、推薦地の飛び地が多く生態系の保全に連続性を確保できないため同地の再考などを指摘し「登録延期」を勧告。政府は同返還地、西表島では北部・北西部の河川流域などを推薦地に追加して19年2月に再提出。ことし5月、IUCNから「登録勧告」を受けていた。

関連記事

長野日報社

諏訪大社上社本宮の重文保存修理事業 3期工事を来月本格開始

 諏訪大社は4月から、上社本宮(長野県諏訪市)の重要文化財保存修理事業の3期工事を本格的に始める。3期工事は、勅願殿、勅使殿、五間廊、神楽殿、天流水舎の5棟に対して、耐震補強の基礎工事や建物の...

「かみしほろ」3年ぶり1位 道の駅満足度総合ランキング

 旅行情報誌「北海道じゃらん4月号」(リクルート北海道じゃらん発行)の「2024年道の駅満足度総合ランキング」で、「道の駅かみしほろ」が3年ぶりに1位になった。運営する指定管理者の観光地域商社「k...

荘内日報社

先端研を核に教育研究活動 3者が6期目の連携協定締結

 学校法人慶應義塾と県、鶴岡市は27日、慶應大先端生命研究所(同市)を核とした研究教育活動プロジェクトを今後も共同で推進するための協定を締結した。期間は2024―28年の5年間。協定は今回で6期目。今期は、研...

宇部日報社

Aスクエア、4月1日に利用開始 まちづくりの拠点として期待【山陽小野田】

 山陽小野田市がLABV(官民協働開発事業体)プロジェクトの核事業として、中央2丁目の市商工センター跡地で建設を進めていた複合施設「Aスクエア」が完成し、4月1日から利用開始となる。公共施設と...

加盟新聞社

カテゴリー一覧

アーカイブ一覧

アクセスランキング

  • 週間アクセス
  • 月間アクセス

関連リンク