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北羽新報社

砂像制作最終盤 「サンドクラフト」三種町であす開幕

2年ぶりに釜谷浜で作品を制作する保坂さん

 三種町の釜谷浜海水浴場で24日に開幕する砂の祭典「サンドクラフト2021inみたね」に向け、砂像の制作が最終盤を迎えている。昨夏は新型コロナウイルス感染症の影響で初めて中止となったため、2年ぶりの開催。メイン砂像を制作するのは能代市生まれの彫刻家、保坂俊彦さん(47)で、「新型コロナで重い雰囲気が漂うが、新たな光が差し込むような作品を仕上げたい」と話す。

 保坂さんは父が能代市、母が三種町の出身。3歳ごろまで同市で過ごした。東京芸術大在学中にサンドクラフトに参加して以来、国内外のイベントやコンテストで作品を披露。日本で数少ないプロの砂像彫刻家だ。
 砂像は言うまでもなく自然を相手にした彫刻作品。保坂さんは「制作途中に砂が崩れたり、与えられた制作期間に雨が降り続いたりすることもある。置かれた条件で最大限の力を発揮するよう心掛けている」と話す。
 新型コロナが蔓延する以前の一昨年までは国内外で年間約15点の作品を手掛けていたが、昨年は5点ほどにとどまった。「これまでは多くの人が集まる場所に砂像を作ってきた。しかし、新型コロナによって制作の機会は減った」。感染防止対策の観点から人の密集を避ける動きが広がり、創作活動は従来通りとはいかなくなった。
 この春、保坂さんの生活に変化があった。平成30年から宮城県東松島市で砂像を制作してきたことが縁となり、4月に同市の地域おこし協力隊に就いた。
 同市は東日本大震災で1100人以上が亡くなった被災地であり、鎮魂の思いを込めた砂像を制作すると、作品に向かって「ありがとう」と手を合わせる市民がいた。また、震災後、海に行くことを控えてきた市民は保坂さんの作品を見るために砂浜を歩いたという。「作品に対して、そのような反応は初めてで、サンドアートの新たな役割を知った。それまでニュースの中にあった『被災地』が目の前にあり、地元の人とのつながりによって、東松島への思い入れが強くなった」と保坂さん。東京都からの移住に、家族は「求められる場所があるなら」と理解を示した。
 4月以降、依頼を受けるなどして月に1点のペースで作品を仕上げており、保坂さんは「可能な範囲で動き出そうという社会の雰囲気を感じる」と受け止める。2年ぶりの釜谷浜で制作している作品は「新型コロナによって重く閉ざされたような雰囲気があるが、扉を開けて新たな光や空気を入れて前に進みたく、『開放』をテーマにしている」と言う。
 両親の出身地である能代山本。その土地で、毎夏のように作品と向き合ってきた。「サンドクラフトに参加するようになって、今の自分がいる。運命です」と語る。

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