美濃和紙にアイヌ文様 伝統工芸とのコラボ商品第2弾 観光土産品を開発 しらおい振興センター
白老町の一般社団法人しらおい振興センターは、岐阜県の美濃和紙にアイヌ文様をプリントした観光土産品を開発し、町内で販売を開始した。国内の伝統工芸とアイヌ文化のコラボレーション商品第2弾で、同センターは「多文化共生をアピールしたい」としている。
美濃和紙とアイヌ文様を組み合わせた商品を手にする田村さん
同県美濃市を中心に作られている美濃和紙は、国認定の伝統工芸品。特に厳選素材を使用した手すきの和紙は「本美濃紙」と呼ばれ、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録されている。同センターは白老の観光振興につなげるコラボ商品の企画に当たり、美濃和紙に着目し開発した。
商品は本美濃紙にアイヌ文様をシルクスクリーンの技法で印刷し、円形のアルミに貼り合わせたもので、直径3・8センチのヘアゴムと缶バッジ、同2・5センチのマグネット(2個入り)の3種。価格はいずれも880円で、町内の駅北観光インフォメーションセンター、民族共生象徴空間(ウポポイ)・国立アイヌ民族博物館のミュージアムショップ、大町商店街のカフェ結とラナピリカの4カ所で販売を始めた。商品に活用したアイヌ文様は、地元文様刺しゅうサークルのメンバーがデザインした文様をベースに、カフェ結の田村尚華店主がグラフィックデザイナーの経験を生かしてアレンジを加えた。白老アイヌ協会の監修を経て、「Kitakarano(北からの)」のブランド名で売り出した。同センターは今後、商品に使う文様のデザインをさらに増やす考えだ。
同センターはコラボ商品の第1弾として昨年12月、愛媛県今治市の「今治タオル」のハンカチに、アイヌ文様と森の動物のイラストを刺しゅうした商品を開発。観光インフォメーションセンターなどで売っている。羽田空港に6月、開設された北海道のアンテナショップ「どさんこプラザ」でも取り扱われ、人気を呼んでいるという。岡村幸男事務局長は「伝統文化のコラボ商品をさらに開発し、多文化共生の大切さを呼び掛けたい」と話している。
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