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北羽新報社

職人の技術継承 天然秋田杉の桶太鼓 能代役七夕でデビューへ

五十嵐祐子さん(右)と三浦和也さんが作った桶太鼓が、8月の役七夕で使用されることが決定

 秋田杉の桶樽(おけたる)作りの職人で平成28年に亡くなった五十嵐修さん=享年67、能代市住吉町=の仕事を支えていた妻祐子さん(65)と、五十嵐さんの技術の継承に当たっている愛知県岡崎市の和太鼓職人、三浦和也さん(41)=三浦太鼓店代表=が昨年完成させた天然秋田杉桶太鼓が、来月6、7日の役七夕運行に使用されることが決まった。運行の当番・柳若組を構成する「住若」に申し出し、責任者の承諾を得た。祐子さんは「三浦さんが再現してくれた『お父さん(夫)の音』が街に響くのが楽しみ」と話している。

 五十嵐桶樽製作所の2代目で、秋田杉桶樽の伝統工芸士だった五十嵐さんは、寿司(すし)桶や漬物樽のほか、和太鼓の桶胴(胴体部分)作りも行っていた。しかし50代半ばで前立腺がんが見つかり、10年以上闘病した末、平成28年9月に亡くなった。
 桶胴の納品先の一つだったのが、全国各地の祭りなどに使われる太鼓の製造、修理を担う三浦太鼓店。外注だった桶胴製作への挑戦を模索していた三浦さんは27年、能代を訪れ、五十嵐さんに弟子入りを請うたものの、五十嵐さんは「仕事を教えることは全然考えていない」との短い手紙で断りを入れた。五十嵐さん死去後に祐子さんは、三浦さんに電話をかけ、若き職人の期待に応えようにも応えられなかった五十嵐さんの無念を伝えた。
 29年6月、すでに桶胴作りを始めていた三浦さんは、再度能代を訪れ、五十嵐さんの仕事を間近で見ていた祐子さんの助言を得ながら3日間、腕を磨き、五十嵐さんの道具も譲り受けた。以来、三浦さんは祐子さんを実質的な師と仰ぎ、祐子さんも息子のように思う三浦さんの挑戦を、遠く能代から支える関係が続いている。
 役七夕の太鼓製作は、祐子さんが一昨年8月、住吉町内の人たちが平成27年の役七夕に灯籠製作の調整が付かず加勢できなかったことを悔やみ、次の柳若組の運行には住若の灯籠を出したいと熱く語るのを聞いたのがきっかけ。五十嵐さんは役七夕用の太鼓を何台か手掛けていたが、自町の住若に五十嵐さんのものはなく、三浦さんと住若に使ってもらうための太鼓作りをスタートさせた。
 20年の役七夕で当番の万町組の大丁を務めた羽立若のために五十嵐さんが製作した太鼓を実際に見て、音を聞いた三浦さんが設計し、材料には五十嵐さんの工房に残っていた天然秋田杉の板材を活用。新型コロナウイルスの感染拡大で、柳若組の役七夕運行は1年延期となったが、製作は続行し、昨年6月には祐子さんが愛知の三浦さんの太鼓店に出向き、太鼓の皮を張る前の桶胴の仕上がりをチェック。完成前には一度能代に太鼓を持ち帰り、七夕関係者に出来栄えを披露しつつ、同7月に桶胴の表面を仕上げ塗りして完成させた。
 希少価値の高い杉の心材(赤身)だけを使った太鼓(皮の口径、胴の高さともに67㌢)はその後、祐子さんが自宅で保管してきたが、今夏の役七夕が運行の方向になり、天然杉太鼓もいよいよデビューを迎える。祐子さんは「ものすごくうれしい。お父さんがいなくなり、独りになったけど、町内の人とはこれからも仲良くやっていきたいし、『住若』の灯(ひ)も消したくない。『お父さんの音』を響かせながら、コロナ禍の今できる精いっぱいの運行で見る人みんなを元気にしてほしい」と話す。
 今月中旬、能代を訪れた三浦さんは「五十嵐さんが作った太鼓を見た時、素晴らしいと思うと同時に、これに負けないものを作りたいと思った。受け継いだ五十嵐さんの技術と素晴らしい素材を使って、この地域のお祭りの音がつくれるのは僕にとっての喜び。この音で市民の皆さんが喜んでくれたらうれしいし、縁ができた能代への恩返しになれば」と語った。
 住若側には16日に「運行に使ってもらいたい」と申し出を行い、18日には筆頭若長の須合隆二さん(66)らが実物を確認、運行での使用を約束した。須合さんは「若い衆にたたかせたがいい響きだった。とてもありがたい話。一緒に練り歩くことで、五十嵐さんの成仏も願いたい」としている。

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