能代の梅田さん五輪体操競技の「セクレタリー」に

東京五輪の体操男子つり輪でセクレタリーを務める梅田さん
新型コロナウイルスの感染拡大で1年延期された東京五輪の体操競技(24日~8月3日・東京都江東区の有明体操競技場)に、本県唯一の体操の国際審判員で能代市の梅田秀一さん(46)=日本体操協会審判委員会体操競技男子審判本部員=が参加する。担当は、男子のつり輪で得点入力用コンピューターを操作する補助役員「セクレタリー」。夢の舞台で選手の演技を支える梅田さんは「選手にとって最高峰の舞台に立てて光栄。与えられた役割を全うしたい」と話している。
渟一小4年で体操部に入部し、能代高で全国高校総体(インターハイ)や国体に出場、高校卒業後も競技を続けた。同市日吉町の鉄骨建築物の施工図を作成する民間会社「BULLTECH(ブルテック)」に勤務。同社スポーツ事業部が運営する体操教室「グランツ・スポーツ・アカデミー」の立ち上げにも関わり、指導者としても活動してきた。
審判として歩み始めたのは平成7年。「自分を育ててくれた体操界に恩返しがしたい」と県大会レベルをジャッジできる日本体操協会第3種公認審判員に合格し、10年に東北大会レベルの2種公認審判員になった。27歳で出場した東北総体(ミニ国体)を最後に現役引退、猛勉強の末、17年に1種公認審判員の資格を取得した。
国内で実務経験を積み、「審判としての実力を測りたい」と25年に同協会の推薦を受けて国際審判員の試験に挑戦、カテゴリー4に受かった。29年に世界選手権で審判ができるカテゴリー2に〝飛び級〟し、国内外の大会で採点。31年から日本体操協会審判委員会体操競技男子審判本部の本部員として、代表選考会などにも携わっている。
昨年3月23日に大会組織委員会から東京五輪の派遣依頼がメールで届いたが、翌日にコロナ禍による1年延期が決定。「選手の気持ちを考えると残念だったが、延期は仕方のないことだった」と振り返る。
今年3月26日に改めて派遣依頼を受けた。「開催に賛否両論があり、コロナで苦しんでいる人もいる中ではある」としながらも、「五輪は選手にとって最高峰の大会だし、審判になったばかりの時は携われるとは思ってもみなかった。五輪会場にいられることがうれしい」と語る。
日本体操界は、同市出身で金5個を含む日本人最多の13個のメダルを持つ小野喬さん(89)=東京都大田区=が銅メダルに輝いた昭和27年のヘルシンキ五輪から、これまで男女通じて98個のメダルを得ている。東京五輪は記念の100個目のメダルが懸かる大会になる。
梅田さんは会社勤務の傍ら、東京五輪の予選に当たる4月の全日本個人総合選手権、5月のNHK杯、6月の全日本種目別選手権すべてに帯同した。今月13~15日に東京都で行われた代表合宿にも同行、橋本大輝(19)や萱和磨(24)ら男子団体メンバーの調子は良く、「団体は金メダルに近い。100個目のメダルにも期待している。心の中で応援したい」と大会を心待ちにしている。
大会組織委員会の手配で新型ウイルスワクチンの接種をすでに2回終え、19日に上京する。都内では公共交通機関を使えず組織委が準備するバスで移動したり、梅田さんが担当外の女子の開催日には宿泊先のホテルからの外出は禁止されたりと感染防止対策を徹底した上で競技が行われる。
20日に大会用ユニホームを受け取り、21日に会場で行われる公式練習に参加し本番を迎える。日本体操協会の男子審判本部からは15人程度が参加予定。男子の競技日の24、26、28日と8月1~3日につり輪のセクレタリーとして携わる。
技の難度を表すDスコアの審判と、出来栄えで決めるEスコアの審判が入力した得点をパソコンで主審と確認した後に公開したり、選手の演技開始の合図を出したりする重要な役割。梅田さんは「無観客でも開催はありがたい。選手がスムーズに演技ができるよう、与えられた責任を全うしたい」と気を引き締めた。
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