独自の世界、染め・織りで 大島紬と加賀友禅約80点並ぶ 一村記念美術館「染織作家のまなざし展」

来場者へ作品に込めた思いやエピソードなどを語った中町さん=10日、鹿児島県奄美市笠利町の県奄美パーク・田中一村記念美術館
加賀友禅、本場奄美大島紬、花織の染め、織り作家11人による企画展「染織作家のまなざし展」が9~16日、鹿児島県奄美市笠利町の県奄美パーク田中一村記念美術館で開かれている。身近な植物や風景などを豊かな感性で表現した着物や帯など、約80点を展示。主催者は「独自の世界観を持つ作家ばかり。奄美の紬関係者にも刺激を与えられれば」と語った。 奄美市笠利町の伝統工芸士・越間巽さん(75)と、旧知の仲である金沢市の加賀友禅作家・中町博志さん(78)が企画。作り手が作品に込めた思いに焦点を合わせ、あえて古典柄を外して芸術性が高いものを選んだ。
会場には、草木染めの繊細な色彩で白浜に打ち寄せる波を表現した大島紬や、マングローブ林をイメージした花織り、身近な草花や旅先の様子をデザインした鮮やかな加賀友禅などが並んだ。越間さんがフクギで染めた着物に中町さんが絵を入れたコラボ作品もあり、来場者は一つ一つ熱心に見入っていた。
10日はギャラリートークがあり、中町さんは来場者へ「インターネットで何でも見られる時代だが、加賀友禅は自分の目で観察し、作品それぞれにその人ごとのストーリーがあることが大切だ」と解説。
越間さんは「難しい技法や大島らしい古典柄にとらわれすぎず、これからは大島紬も作り手の思いや感性が重要になると思う。奄美の紬関係者にも見てもらい、何かを感じてもらえればうれしい」と語った。
展示は16日まで。時間は午前9時~午後7時(最終日は午後4時)。入場無料。
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