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空き家に関心高まる 移住者誘致で対策検討

みなべ町の住宅地。空き家は町内全域で見られる

 空き家に対する住民の関心が、和歌山県みなべ町でも高まっている。傷みが激しいと景観を損ねるだけでなく、倒壊などの危険性があるためで、町が実施する除去費用の補助には毎年、申請が続いている。町は移住者の誘致や農業後継者の確保とも絡め、対策に力を入れたいという。

 町が2016年に初めて実施した空き家調査では、町内で333戸の空き家が確認でき、旧南部町エリアに全体の6割近くの192戸があった。旧南部川村エリアのうち上南部地域は55戸、高城地域は54戸、清川地域は32戸だった。調査以来5年が経過し、さらに増えているとみられる。
 町はこの調査を受けて17年度から、倒壊などの恐れのある「不良空き家」を対象に、除去費用の一部を補助する事業を始めた。初年度の実績は5戸だったが、倒壊などの恐れがある空き家が対象ではハードルが高いとして、18年度には「住むことができるが、かなり傷んでいる家屋」と条件を緩め「その他」や「倉庫」も対象に加え、15戸を募集したところ、19戸(住居17、倉庫2)の応募があった。その後も、19年度24戸(住居21、倉庫3)、20年度22戸(住居17、倉庫5)で、いずれも予定数を超え、事業費を増額して対応した。本年度も5月中に予定の15戸を超えた。
 空き家の対策は全国的な課題で、14年には倒壊の恐れがあるなどの空き家について、持ち主に撤去や修繕を命じ、行政代執行を可能にすることを規定した「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が成立した。県内でも法に基づく撤去は始まっているが、みなべ町では5日現在、景観を損ねたり、危険であったりして行政代執行をした空き家はないという。
 担当する建設課は「いまのところ不良家屋は多いとはいえないが、かなり傷んだ家屋は結構あり、今後不良家屋となる家屋は増える可能性はある。付近の住民からも撤去の要望が増えるのではないかと思う」と話す。
 一方、空き家の再利用については、県内への移住や定住を促進するために空き家を紹介する県のインターネットサイト「わかやま空き家バンク」を通じて情報発信している。19年度に3件の登録があったが、本年度5月に賃貸での借り手が決まって以降は、登録はない状態。産業課は「空き家であっても、所有者は貸し出すとなると二の足を踏む。盆や正月だけ使ったり、他人に貸すのは抵抗があったりということがあるのではと思う。今後、空き家の状況を調べ、活用できるのであれば登録してもらえるよう働き掛けたい」という。
 さらに町は、空き家を活用して、移住者の受け入れや農業後継者の確保につなげられないかと考え、庁内に専門チームをつくることを検討したいという。
 みなべ町でも少子高齢化により人口はさらに減り、将来的には基幹産業である梅の産地としての維持も難しくなる可能性はある。小谷芳正町長は「他の地域から来た人が空き家に住み、農業をしてもらえれば一石二鳥になる。空き家のリフォームに補助金を出すなどの対策を考えていければと思う」と話す。

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