牛の「火葬場」家畜焼却処理施設が稼働 徳之島 民間運営島内で初

施設稼働に先駆けてあった神事=1日、鹿児島県徳之島町亀津
肉用牛の飼育が盛んな鹿児島県・徳之島で獣畜焼却処理施設が徳之島町亀津に完成し、7月1日から稼働を開始した。牛などの家畜の「火葬場」に当たる施設で、民間での稼働は島内初。運営する福永建設の福永健代表取締役(46)は「従来の埋却処理では地下水や土壌を汚染する恐れもある。焼却処理は自然環境への配慮にもつながる」と重要性を強調した。
現在、徳之島では年齢8歳(96カ月)以上の牛の死骸は鹿児島中央家畜保健衛生所徳之島支所の施設で焼却しているが、8歳未満の牛を焼却する施設はなく、徳之島保健所から特別な許可を得て畜産農家が所有地などに埋めていた。稼働開始で、今後は同社施設での焼却処理が原則となる。

投入口(右下)の拡張など改良整備した焼却炉
焼却施設は同社がこれまで廃材などを処理していた焼却炉を活用。約7000万円かけて獣畜焼却に必要な設備を整備した。同社によると、島内の畜産牛は約1万5000頭。年間約700頭が死に、うち約600頭が埋却されているという。施設では1日で成牛2~3頭の処理が可能で、島内の需要をカバーできる見込み。焼却灰は県本土の最終処分場へ産業廃棄物として送られる。
県産業資源循環協会の理事も務める福永代表は「廃棄物を島内で適正に処理するにはどうしたらいいかを常に考えており、畜産農家から焼却処理を求める声もあって弊社施設の活用を思い立った」と説明。「畜産農家にとっては家畜の死が少なく、本施設の利用実績は低い方が良いことだが、徳之島の畜産を支える『安心の礎』と考えて利用してもらえれば」と話した。
稼働開始に先駆けて、1日、施設と施設そばに建立した畜魂碑で神事を執り行い、今後処理する家畜たちの鎮魂と施設の無事故安全を祈願した。
同社によると牛1頭当たりの処理費用は1歳(12カ月)以上の牛が6万円、1歳未満が4万円(ともに税別)を想定しているという。
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