三種町の水田にコウノトリ 住民「良い事起きるかな」
羽を広げて水田の上空を移動するコウノトリ
三種町豊岡金田の水田で、国の特別天然記念物・コウノトリの姿が確認されている。コウノトリの保護や繁殖、野生復帰などに取り組む兵庫県立コウノトリの郷公園(同県豊岡市)によると、この個体は足環から昨年6月に兵庫県内で誕生した雄と判明。これまでに長野県や九州地方でも目撃情報があり、三種町に飛来してきた。「幸せを運ぶ」とも言われるコウノトリを見た町民たちは「何か良い事が起きるかな」と胸を膨らませる。同公園は「野生の鳥であり、驚かせないように距離を置いて観察してほしい」と呼び掛けている。
コウノトリは餌場となる田んぼへの農薬散布や自然破壊などによって昭和46年に国内の野生個体群が絶滅した。兵庫県などで繁殖や放鳥が進められ、徐々に個体数が増えている。
JR奥羽線・金光寺踏切周辺では今月中旬、水田で餌を探してついばんだり、羽を広げて飛んだりするコウノトリの姿が確認されている。
コウノトリの郷公園によると、個体を識別できる足環によって、昨年6月に兵庫県豊岡市内の野外で巣立った雄で現在1歳と判明。これまでに長野県や宮崎県、鹿児島県、今年4月には、にかほ市でも目撃されている個体という。「野外で巣立った個体に対しても可能な範囲で足環を着け、生態を調べている。コウノトリは繁殖が可能となる3歳まで餌場を探して各地を移動する」と説明する。
17日に目撃した同町下岩川字達子の三村隆幸さん(66)は「ツルでもサギでもないと思い、もしかしたらコウノトリかもしれないと感じた。なかなか見られない鳥を目撃でき、うれしい」と話し、19日に見た同町豊岡金田字根岸の信太澄子さん(76)は「コウノトリは幸せを運ぶ鳥とも言われるので、何か良い事があるかな」と笑顔を見せた。
金光寺踏切から南東に約1・5㌔の豊岡金田字金光寺の住宅地では4月下旬ごろからコウノトリとみられる鳥が目撃されているが、水田で見られているものと同じ個体かは不明。
コウノトリの郷公園では「野生の動物であるため、驚かせることのないように、観察や写真を撮る場合は個体から少なくとも150㍍は離れて見守ってほしい」と話している。
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