活動の幅広げ活性化目指す 今年で開設21年 しらおい創造空間「蔵」
白老町のNPO法人しらおい創造空間「蔵」は、芸術文化発信施設「蔵」(本町1)の開設21年を迎える今年から、施設や事業の活性化により力を入れる。音楽や演劇などイベント開催にとどまらず、テレワークのシェアオフィスなどリモート時代に即した事業の創出も目指す。5月の理事会で同法人の会長に選出された毛笠史寛さん(34)は「いろんな人がつながり、白老を元気にする場にしたい」と意気込む。

今年でオープンから21年を迎えるしらおい創造空間「蔵」
「蔵」の建物は、軟石の石材で大正時代に酒蔵として建てられた。白老に残る歴史的建造物を芸術文化の創造や発信の場にしたい―と、有志が立ち上がり、道の地域創造アトリエ整備事業補助金や町の予算で1999年から2000年にかけて石倉を改修。同年11月にしらおい創造空間「蔵」をオープンした。
施設は町の所有で、管理を町民でつくる町文化推進ネットワーク協議会が担う形で運営。03年からはNPO法人としてコンサートや演劇、映画、美術展など鑑賞事業、イベントや会議などへのスペース貸し出し、町の社会教育受託事業などに取り組んできた。俳優緒形拳さん出演の演劇、ジャズ・トランペット奏者日野皓正さんのライブなど著名人のステージも催し、芸術文化の発信拠点として存在感を示してきた。
一方、「蔵」を自主的に運営する上で厳しい経営が続き、活動の停滞に陥ったこともあった。このため、関係者は「蔵」の存続に向け、運営の在り方を再考。経営改善を図るため、収入源となる事業の創出や施設の利用促進に力を入れることにした。NPO法人の役員も一新。副会長を務めていた毛笠さんが会長に、虎杖浜の観音寺住職の米本智昭さん(37)が副会長に就くなど若い力で率いる体制を築いた。
「蔵」は鑑賞や作品展などイベント開催や貸し館を核としながらも、「コロナやテレワークの時代に即した事業に挑みたい」と毛笠さん。地方に住んでリモートで働くワーケーションが注目を集める中、施設のネット環境を活用したテレワーク・シェアオフィスの事業化も目指す。また、地域に貢献する試みとして、白老の歴史を映像や音声で記録し「蔵」で展示することも考えている。「白老には郷土資料館がないため、まちの歴史を後世に残す役割も担いたい」とし、今年は「蔵」の建物を詳しく調べ、石倉の歴史的価値を明らかにしたいという。
白老町も人口減少が進み、まちの活力喪失が心配される中で、毛笠さんは「地域のさまざまな人材とネットワークをつくり、まちや人を元気にする場にしていきたい」と話す。”関係人口”として白老に関わる人たちの交流拠点にもするなど、「いろんな人が集い、つながる施設になれば」と張り切る。
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