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織物でアイヌ文化発信 「アットゥシ」製作開始 マクンベツ伝承保存会

 マクンベツアイヌ文化伝承保存会(廣川昌嘉会長、7人)は、十勝で育ったオヒョウを原料に、アイヌの織物「アットゥシ」の製作に乗り出した。樹皮から繊維を取り出して糸を作る昔ながらの作業を通じて幕別からアイヌ文化を発信する。完成したアットゥシは、町が整備を計画するアイヌ文化の保存・伝承に向けた新施設に展示したい考えだ。

カセイソーダで煮たオヒョウを天日干しする会員(マクンベツアイヌ文化伝承保存会提供)

 アットゥシはオヒョウなどの樹木の内皮を沼や温泉に漬けて軟らかくし、乾燥させてから細く裂いて糸を作り、専用の織り機で反物に仕上げる。

 コロナ禍で昨年から同保存会の行事も中止を余儀なくされる中、廣川会長の妻で同保存会会員の和子さん(62)が挑戦を思い立った。和子さんは15年前に上士幌町のアイヌ植物園「東泉園」で開かれた講習会に参加し、アットゥシ作りを体験した。「すごく軟らかくて樹皮で作ったとは思えない」とその魅力を語る。

 再度のチャレンジに向け、昨年から夫妻で日高管内平取町二風谷に足を運び、職人から製作の手順を学んできた。原料となるオヒョウは十勝管内の企業の社有林から提供してもらった。

 オヒョウの3分の1は、本別アイヌ協会会長の小川哲也さんが社長を務める自然エネルギー・ファーム十勝(足寄)の施設にある温泉に漬けた。昨年8月には平取町でアイヌ工芸を担当する地域おこし協力隊の柴田幸宏さん(32)=音更町出身=を十勝に招き、温泉や沼に漬ける代わりにカセイソーダで煮る作業を教わった。今年5月に残りのオヒョウをカセイソーダで煮て、今月上旬に千住生活館で干して乾かした。

 これから始まる糸づくりは、和子さんや同保存会の安東春江さん、山下まり子さん、管内のアイヌ協会の女性たちが担う。和子さんは「足腰が弱ってきて大変だけど、今やらなければと思った。アイヌの伝統を伝えていければ」と意気込む。

 文化庁の内田祐一調査官(帯広百年記念館元副館長)によると、幕末期にはアットゥシが十勝の産物として多く出ていたとの記録がある。内田調査官は「幕別で技術が伝承されるのはいいこと。作業は大変だが、頑張ってほしい」と期待を寄せる。

 町がアイヌ政策推進交付金を活用して整備する新施設は、老朽化が進む千住生活館と蝦夷文化考古館の両方の機能を併せ持たせる。交付金活用の前提となる地域計画案の策定に向け、関係者らと意見交換を進めている。

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