台風3号の影響で西表東部、波照間行きの船などが欠航した＝5日午前、ユーグレナ石垣港離島ターミナル

　台風3号は5日、八重山地方に午前中に最接近したのち宮古島方面に進み、同日午後3時には温帯低気圧に変わった。この影響で海・空の交通機関は一部まひしたが、農家にとっては恵みの雨となった。

　3号は暴風域がなく15㍍以上の強風域を保ったまま西表島と与那国島の間を北東に進んだ。波照間島で午前7時26分、6月の観測史上最大となる最大瞬間風速23.2㍍を観測した。

　石垣島と竹富町の離島を結ぶ定期船は波照間航路で全便、黒島、西表大原航路で一部がそれぞれ欠航した。空路では琉球エアーコミューター（ＲＡＣ）の那覇―与那国路線、石垣―与那国路線がそれぞれ2便欠航し、登場予定者54人に影響が出た。宮古―石垣便では1便で5時間弱の遅延も発生した。

台風3号の強風域圏内に入った八重山地方に大きな被害はなかった＝5日午前、市道南大浜線

　5日午後2時50分までの24時間雨量は与那国島で93.5㍉、石垣市登野城で24.5㍉、波照間島で45.5㍉を観測。

　与那国町に住む農家の男性は「5月は雨が降らなかったので、農家にとっては恵みの雨。まとまった雨になってよかった」と喜んだ。

　石垣島地方気象台は「まだ前線が残っているので、大雨警報になる可能性がある」と引き続き注意を呼び掛けている。