「船中だから学べる行事」 生徒・職員・保護者が協力 伝統の炭焼き体験

炭窯で炭焼き作業を行った生徒ら=4月29日
【西表】船浦中学校(宮城裕子校長)はこのほど、36年目となる伝統行事・炭焼き体験学習を行った。
西表の炭焼きの歴史を事前学習した上で、琉球大学熱帯生物圏研究センターほ場で炭材となるモクマオウを保護者や職員とともに伐採した。
直径20㌢の生木にノコギリを入れ、数人ひと組となって、木が倒れてくる方向に声をかけながら4㌧トラック一杯分を切り出し、学校裏の炭窯へ運んだ。
長年、炭焼きアドバイザーを務める永田欣也さんの熟練の技巧で、枝を打った木材が隙間無く窯の内部に満たされると、いよいよ生徒たちが楽しみにしている「泥打ち」作業。
下級生がはだしで赤土を踏み慣らして作った泥団子を、一列に並んで窯の入り口まで手渡し。3年生は永田さんの手元を見ながら塗り込み作業を学んでいた。
大城昊己さん(3年)は「炭焼きが好きだった。船中だから学べる楽しい行事の一つが終わって少し寂しい」と名残惜しそう。
仕上げの泥団子投げでは恒例の盛大な泥合戦がスタート。生徒と教師の垣根なく泥を手に追いかけ、顔や背中に塗り合い、無邪気な歓声が飛び交った。
永田さんは「焼成中に煙突から出る煙にマッチをかざし、何秒で火が着くかでタイミングを見極める」などとこつを説明したが、「これらは経験で計るもの」と話した。先祖の歴史を伝えことに充実感いっぱいの笑顔だった。(西表西部通信員)
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