長野県飯島町の「飯島流ワーケーション」 農業体験プレ事業始動

始動した飯島流ワーケーションプレ農業体験で野菜の種まきをする参加者
リモートワークにより仕事と休暇の両立を目指す飯島町の「飯島流ワーケーション」で、訪れた人たちに提供するプログラムの柱となる農業体験のプレ事業が始まった。今年度は地元住民を中心に展開。来年度からの本格的な誘客に向けて、受け入れのための土台作りをする。
町と田切の里営農組合、田切農産などが中心となり、今後協議会を設けて運営していく予定の飯島流ワーケーション。町のさまざまな素材を生かして自然や文化体験、人的交流など150ほどの体験プログラムを用意し、都会の企業などから誘客を図ろうと計画している。
軸となる農業体験は「農業実践塾」と銘打ち、プレ事業では米と野菜の栽培体験2コースを用意した。年間4~5回開き、中途参加も可能で現在までに町内外の計7組が参加している。
8日には、田切農産の直売所「キッチンガーデンたぎり」に隣接する畑で、野菜コースの種まきが行われた。トマトやバジルなど数種類のイタリア野菜やレタス、トウモロコシを中心に栽培し、今後は畑への移植や草取り、収穫、試食会と秋まで楽しむ。
札幌市から今年春に中川村に移住してきた伊藤広己さん(61)も熱心に種まき。「札幌ではマンション住まいで農業をやるのも初めてだが、土いじりは楽しい。都会の暮らしでは家庭菜園をするのも難しいので、ワーケーションの需要はあるのでは」と話した。
プレ事業では夏から秋に向けてサツマイモなど、単発の収穫体験も実施。秋ごろにはワーケーションの滞在拠点となるトレーラーハウスが整備される予定で、お試し宿泊体験なども行っていく考えだ。
田切農産の紫芝勉代表は「企業の人たちの新しい働き方の中で、農業振興など地域の課題解決につなげたい。お互いが良好な関係を築き、移住や企業進出、新しい農業の担い手の創出などに発展すれば」と期待する。
農業実践塾の料金は米コースが収穫した米60キロ付きで1組1万5000円。野菜コースは1万円で、同じく栽培した農産物が付いてくる。申し込み、問い合わせはアグリマルチワークプロジェクト事務局(電話080・5140・8582)へ。
関連記事
古道始まりの地をPR 「シオゴリ」モニュメント
和歌山県田辺市の扇ケ浜に設置された「SHIOGORI(シオゴリ)」の文字をかたどったモニュメントの除幕式が16日にあった。「潮ごり」は熊野詣での事前儀式。熊野古道の世界遺産登録20周年に合わせ...
北の玄関口地域を担う施設に 日沿道IC隣接 新「道の駅」など遊佐PAT住民..
日本海沿岸東北自動車道(日沿道)の延伸を見据え、遊佐町が遊佐鳥海インターチェンジ(IC、同町北目)隣接地で、新「道の駅」を中心に2027年度初頭の開業を目指す多機能型休憩施設「遊佐パーキングエリアタ...
ヒグマ骨格標本の製作進む 足寄動物化石博物館でナウマン象記念館と畜大
ヒグマの全身骨格標本の展示を計画している幕別町の忠類ナウマン象記念館と帯広畜産大学が5日、足寄動物化石博物館で標本作りを行った。同博物館の澤村寛特任学芸員から骨格の構造を学びながら作業を進めた。 ...
脱炭素へ計画認定 奄美空港、鹿児島県内で初 国交省
鹿児島県が国に申請していた奄美空港(奄美市笠利町)の脱炭素化推進計画について、国土交通省は16日までに認定すると発表した。計画は2050年度の温室効果ガス排出量ゼロを目標に設定し、それに向けた...