65歳以上の高齢者への新型コロナウイルスワクチンの集団接種が始まるのを前に、鶴岡市は18日、市朝暘武道館で医師や看護師、市職員らが接種の手順を確認する模擬訓練を行った。最大で1時間当たり120人の接種を計画する中、当面の接種人数とする60人想定で実施したが、1時間以内では終了できなかった。市の担当者は「多くの課題が見つかった。5月19日からの集団接種開始に向け手順や人員配置を精査したい」と話した。
来月から始まる集団接種に向け、朝暘武道館で行われた模擬訓練
訓練は集団接種の中心会場となる同武道館に本番と同様の受け付けや予診、接種、接種後の健康観察などのブースを設け、接種を受ける人役を含め約180人が参加した。
想定には接種券や予診票などの持参忘れ・紛失、持病があるものの主治医に相談せずに訪れたケースなどさまざまな事例を盛り込んで対応を訓練。また、接種後の観察で「アナフィラキシー」と呼ばれる重いアレルギー症状が出たことを想定し、医師と看護師が発症者に処置して救急搬送する訓練も実施した。集団接種に合わせてバス送迎も計画していることから、バス運行による多人数の同時受け付けの訓練も盛り込んだ。
訓練を視察した鶴岡地区医師会の福原晶子会長は講評で、「しっかりとやれると思っていたが、実際に訓練をしてみて不足する点や課題が見つかったので、訓練を実施して良かった。関係者の意見を集約して安全、スムーズに集団接種できるようにしていきたい」と述べた。
同市の65歳以上は約4万5600人。市立荘内病院や高齢者施設など一部では先行接種が始まっている。集団接種は今月23日に接種券が対象者に発送され、5月19日から朝暘武道館など6会場で8月上旬まで行われる。
バス送迎による多人数の同時受け付けを想定した訓練も実施された
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