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長野日報社

高遠電気軌道設立から100年 鉄道敷設への期待伝える営業報告書

鉄道事業への地元の期待が読み取れる高遠電気軌道の営業報告書

 大正時代に、伊那町―高遠町間に鉄道の敷設を計画した高遠電気軌道株式会社の設立から、今年で100年。計画は実現しなかったが、地元の大きな期待の中で事業が進められていたことは、最近見つかった同社の第3回営業報告書(1922年1月1日~6月30日)からも分かる。軌道敷設のために拡幅整備された道は国道361号として活用され、当時の人たちの思いを今に伝えている。

 高遠電気軌道は1921年1月、県議で実業家の黒河内一太郎氏(1872~1926年)を社長に設立された。資本金は40万円。『高遠町誌』によると、伊那電の伊那北駅を始点・乗り継ぎ駅として、二条橋付近で天竜川を渡り、古町経由で高遠までを鉄路でつなぐ計画だった。当時の伊那町―高遠町間の交通機関は荷馬車のほか1日5~6便の乗り合い馬車、人力車だけで、大量輸送の電車に寄せる夢は大きかったという。

 営業報告書は黒河内社長の家と親戚関係にある黒河内靖さん=伊那市高遠町=が古書店で見つけたもので、書面には事業報告や決算概要のほか、763人の株主の氏名が記されている。地域の実力者が大口の株主として出資しているだけでなく、1株株主が名を連ねており、鉄道事業が地元の多くの人たちから期待されていたことが読み取れる。

 『伊那市史』によると、電車軌道の敷設には条例により規定の道路敷が必要で、軌道敷1間分(約1.8メートル)を道路の片側に設けることを想定した幅員2間(約3.6メートル)の道路への拡幅を進めた。難所の鉾持桟道は当初、トンネルにする予定だったが、黒河内県議らの進言で岩石の大絶壁を破壊し、県道を4メートル下に切り崩して整備した。

 事業は着々と進められ、25年には鉾持桟道の改修を終えていた。しかし、計画の推進役だった黒河内社長が26年に急逝。自動車交通が発達してきたこともあり、構想は実現しないまま会社は解散した。

「志半ばで病に倒れ、さぞかし残念だったことか」と思いやるのはひ孫の黒河内俊さん=同=。「祖父も早くに亡くなってしまったので曽祖父のことはほとんど話を聞けなかったが、今も道として残る偉業に感謝したい」と話した。

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