江戸時代の錫杖? 児童が河原で見つける
日高川の河原で見つけた錫杖の一部
和歌山県田辺市龍神村湯ノ又の河原で地元の小学生2人が、僧侶が行脚する時に用いる仏具「錫杖(しゃくじょう)」の一部が落ちているのを見つけた。形状や傷み具合などから、江戸時代に作られたものと推測されるという。
見つけたのは龍神小学校5年の山本渓太君(10)と上山路小学校5年の寒川健志朗君(10)。2人はいとこ同士で、昨年夏に旧龍神中学校近くの日高川沿いにある墓地へ祖母と参った際、花を供える筒の水を捨てようとして、手が滑り筒を10メートルほど下の河原に落としてしまった。筒を拾うために河原に下りたところ、岩の上に金属製の造形物が落ちているのを見つけた。
杖の一部を見つけた場所に立つ寒川健志朗君(左)と山本渓太君=和歌山県田辺市龍神村湯ノ又で
2人からこれを受け取った祖母は、墓前にいったん保管していたが、今年2月、自宅に仏具を紹介した冊子があるのを思い出して調べたところ、錫杖を紹介した写真が目に入り、孫が見つけたものとほぼ同じ形だった。
錫杖は上部に仏塔をかたどった金属製の飾りがあり、従来そこに数個の輪が付いているが、今回見つけたものは輪がなく、高さ約12センチ、幅約4・5センチ、重さ約60グラム。
この錫杖の一部を画像で確認した県立博物館の竹中康彦さんによると、傷み具合などから古いものであるとみられるが、平安時代ごろに作られた錫杖より造形が簡素化されていることから、作られたのは江戸時代と推測されるという。
江戸時代のものである可能性があることを聞いた山本君は「遠い昔のことで意外だと思った」、寒川君は「すごいことだと思った」と話している。
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