きょう感染確認から1年 累計302人、経済に打撃 ワクチン接種に活路

八重山で新型コロナウイルス感染が確認され13日で1年を迎える=12日夕、石垣市730交差点
八重山地区内で新型コロナウイルスの感染が初確認されて、13日で1年を迎えた。八重山で判明した新型コロナ感染者はこれまでに累計302人(12日現在)。県外や沖縄本島から入ってきたウイルスが、飲食、家庭内で広まるケースが散見されている。1年前に比べ、医療は感染症に対する知見や技量を磨き、経済活動は観光産業を中心に思うように伸びていない。ワクチンの一般接種開始を前に「第4波」の影もちらつき予断を許さない状況に変わりはない。
県によると、八重山でコロナによる死者はゼロ。クラスター(感染者集団)は6例発生。重症化ハイリスク群の感染も一定数いるが、最悪の事態は起きてないという。
コロナ患者を受け入れる病床は3床だったが、八重山病院と石垣島徳洲会病院を合わせて最大約45床まで収容数を確保できるまでになった。
PCR検査は、結果判明が2~3日かかる行政検査以外に、石垣市が購入したPCR検査装置をかりゆし病院に設置したことで、即日判明を可能に。1日あたりの検査件数も増やし、市内の感染状況に応じて対象者の枠を拡大。初期段階での封じ込みに重点を置いた。
診療所しかない竹富町、与那国町は中核病院への搬送や各島で検査体制の前例をつくった。
観光経済は、GoToトラベルキャンペーンで9~12月上旬ごろにかけ一時的に持ち直したが、第3波到来で需要は再び落ち込んだ。一次産業も消費が伸びず市場で値崩れも発生。行政は消費を喚起しようとあの手この手と対策を打ち出した。小売業の中には、インターネット販売で新たな販路開拓に挑戦する事業者も現れる。
〝コロナ収束の切り札〟とされているワクチン。八重山では、石垣市で今月25日から高齢者の集団接種を開始する。竹富町も5月8日、与那国町は5月中旬にそれぞれ始まる。
市産業医を務めるかりゆし病院の境田康二院長は「時間の経過とともに対応方法も明らかに1年前とは変わっている。変わらないとすれば、コロナ前から病院が取っていた感染対策。例えば病院だとマスクやアルコール消毒を行っている。これまで普通の家庭ではやらなかったこと。コロナの流行で、その対策が一般の人たちに求められる」と指摘した。
ワクチン接種については「打たない理由はない。皆が接種してあと半年か1年で収束させないといけない。接種することでかかりにくくなり、他の人に移さない、重症化もしないというデータも出てきている。ワクチンが大きなターニングポイントになる」と呼び掛ける。
県内でも拡大する変異ウイルスについて「ウイルスは必ず変異する。このコロナは人の弱いところばかりつけ込んでくる。今やっている感染対策を気を緩めず続けることが大切」と強調した。
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