ジュゴンの喰み跡確認 西表、新城、黒島など4島 八重山で生息の可能性 環境省調査
黒島と西表島で見つかったジュゴンの喰み跡(環境省提供)
2005年7月、沖縄本島近海で撮影されたジュゴンの親子(環境省提供)
環境省は8日までに八重山や沖縄本島北部、宮古島周辺などの海域で実施した絶滅危惧種ジュゴンの2020年度の生息調査で西表島、新城島、黒島の沿岸で初めてジュゴンがエサとなる海草を食べた痕跡の「喰み跡」を確認したと発表した。波照間島では19年度の調査に続き2年連続の確認。同省が18年度に実施した目撃情報をまとめた調査では2000年以降、親子で泳ぐ姿などが11件報告されており、今回の調査と合わせて八重山にジュゴンが生息する可能性が示された。
調査は、これまで姿が確認されていた沖縄本島北部のほかに近年の聞き取りや調査実績から生息の可能性が高い八重山の9島でも実施。前回調査で喰み跡が確認されていた波照間島のほかに今回新たに西表島、新城島、黒島の3島の近海でも見つかった。
波照間島では、18年8月に第11管区海上保安本部石垣航空基地所属のヘリコプターから親子とみられるジュゴンも確認されている。
沖縄本島北部では近年、少なくとも3頭のジュゴンの生息が確認されていたが、このうち雌1頭が19年3月に死んでいるのが見つかり、残る2頭も確認できなくなるなど厳しい状況が続いている。
環境省野生生物課希少種保全推進室の担当者は「ジュゴンの生態はよく分かっていないが、八重山に生息している可能性は十分にある」と話した。
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