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厚岸霧多布昆布森国定公園誕生【厚岸など】

横断幕の前で(左から)佐藤標茶町長、齊藤浜中町副町長、若狭厚岸町長、小松釧路町長、山口局長

 全国58カ所目、道内6カ所目となる国定公園「厚岸霧多布昆布森国定公園」が30日、官報で告示され正式に指定された。厚岸、浜中、釧路町、標茶の4町の関係者でつくる厚岸道立自然公園国定化促進期成会(会長・若狭靖厚岸町長)は同日、厚岸町生活改善センターで新国定公園誕生を伝える横断幕を披露し、悲願の指定を祝った。

 新国定公園は、厚岸道立自然公園2万1523㌶に新たに太平洋岸の海洋域と厚岸、標茶両町にわたる別寒辺牛湿原、浜中町幌戸沼、釧路町来止臥など4町にわたる4万1487㌶を指定。雄大で荒々しい海食崖が続く岩石海岸と国内有数の湿地、希少な動植物や植生などの生態系と人との共生により育まれた文化景観が一体となった地域として高い評価を受けた。

 同期成会は1984年設立。道は昨年11月、道立公園と周辺地域の国定公園指定を環境省に要望した。今年2月、同省中央環境審議会が指定と公園計画の了承を答申し、同省が指定を決定した。

 同センターで開催した除幕式は、若狭町長が「長年の要請活動が実を結び、感慨無量。貴重な自然環境の保全と利用による観光振興など、地域経済の活性化や道の観光戦略の推進にも寄与する大きな起爆剤にもなる。4町と道、関係機関と連携を強化し施策に取り組みたい」とあいさつ。山口修司釧路総合振興局長が祝辞を寄せた。

 壇上では若狭町長と山口局長、小松茂釧路町長、齊藤清隆浜中町副町長、佐藤吉彦標茶町長が、各役場庁舎に掲げる横断幕を除幕。小松町長は「名称に昆布森の地名が入り感慨深い。地域の自信と誇りになる」、齊藤副町長は「町民にも身近で親しみのある場所。後世に残るよう、守るとともに広域ルートの形成など観光振興を図りたい」、佐藤町長は「国定公園と併せ釧路湿原、阿寒摩周と二つの国立公園がある自治体は道内で標茶だけ。環境保全に努め、地域のポテンシャルを上げたい」と話した。

 同日、厚岸道立自然公園は指定を解除。同期成会は「厚岸霧多布昆布森国定公園連絡協議会」に名称変更し、観光振興と自然環境の保全を進めることを確認した。同協議会では今夏、記念式典を開催する計画。

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