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荘内日報社

三川町 幻の米「イ号」復活プロジェクト

80年ぶりの本格栽培となる「イ号」の田植え=13日、三川町東沼

 三川町の民間育種家が育成し、昭和初めに県内や宮城県で広く栽培された水稲品種「イ号」を復活させ、オリジナルの日本酒を造る取り組みが、同町で始まった。戦前に作付けを終えたイ号の本格的な栽培は約80年ぶりとされ、「幻の米」の復活とともに、地域の活力向上につなげる新たなブランドの創出に期待する。町と町観光協会は「明治期以降、庄内地方では良質の米を生み出そうと民間育種が盛んだった。先人たちの思いを受け、良質米のふるさと庄内をアピールしていきたい」と意気込んでいる。

 イ号は、同町猪子の佐藤弥太右エ門が明治末期に育成した品種。稲の病害の一つ、いもち病への耐性が強く、昭和初めの最盛期には県内や宮城県で約1万9000ヘクタールの作付けを誇った。いもち耐病性に加え、良食味が普及につながったという。

 庄内では明治から昭和にかけ、庄内の稲作向上を目的にした篤農家による育種が盛んで、全国的に知られた。猪子の佐藤は、つや姫やコシヒカリなどのルーツの「亀ノ尾」を創出した庄内町小出新田の阿部亀治、もち米を含め34種の優良品種を育種した鶴岡市中野京田の工藤吉郎兵衛とともに、「庄内三大民間育種家」として知られる。

 町は昨年から、地元の佐藤が育種したイ号の復活プロジェクトをスタート。県水田農業試験場(鶴岡市藤島)が保管している種50グラムを譲り受け、同町東沼の農家、大瀧浩幹さん(35)が栽培を担当し、昨秋に約5キロを収穫。全量を種もみに今春、は種・育苗し、13日に本格的に水田15アールに植え付けた。9月中旬ごろには約700キロの収穫が見込まれるという。特別栽培で育てる。

 町観光協会は、収穫後にイ号を酒米に庄内地域の酒蔵に依頼して日本酒を仕込む予定で、1000本(720ミリリットル換算)のオリジナル地酒を誕生させる計画。

 栽培を担う大瀧さんは「栽培は手探りだった。発芽率が低く、草丈が長くて倒伏しやすく、肥料を工夫したりと昨年は栽培に苦労した。イ号は穂が長い、早生といった特徴もある。一定程度収穫できれば、秋にイ号の味を確かめてみたい。どんな味がするか楽しみ」と、地元で育種され80年ぶりの本格栽培となったイ号に寄せる思いを語った。

 町や町観光協会は、イ号の育種と栽培復活のストーリーを含め、町のオリジナル日本酒を発信していく。

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