「温泉出てこい」 大和村 観光施設整備へ、掘削開始
天然温泉を目玉とした新たな観光施設の温泉掘削工事が16日、鹿児島県大和村大棚の整備予定地で始まった。施設は同村出身の浜崎哲義氏(62)が代表を務める総合美術会社・グレイ美術(本社・東京都)が昨年10月、整備構想を発表。温泉露天風呂付きの宿泊棟、バーベキューが楽しめるキャンプサイトなどを段階的に整備する。温泉は地下約1800メートりまで掘削して掘り当てる計画。同日は地鎮祭が執り行われ、出席者が「温泉出てこい」とプロジェクトの成功を祈願した。
施設名は「奄美温泉大和ハナハナビーチリゾート」(仮称)。同社によると来春にバーベキューなどが日帰りで楽しめるキャンプサイト、敷地内の自然を生かした亜熱帯野鳥の森植物園エリアをオープンさせる。
メインとなる温泉付き宿泊棟、手ぶらで気軽にキャンプを堪能できる「グランピング」サイトは来年12月ごろのオープンを目指す。グランドオープンまでの整備に約5億5000万円を投資する予定だ。
2019年に敷地内の地質を調査し、温泉の出る可能性が高いことを確認。掘削工事は今年12月ごろの完了を予定している。工事費は約1億3500万円。
地鎮祭には同社関係者や施工業者、村役場や村議会の代表ら約20人が出席。高さ約25メートルのボーリング用やぐらの下で神事を執り行った。
浜崎社長は「掘削工事が成功し、大和村の観光振興に少しでも貢献できればと思っている。少しずつでもしっかりと事業を前に進めていけるよう頑張りたい」と述べた。
大和村は昨年10月に同社と立地協定を結び、施設整備に関わる行政手続きなどの面で同社をサポートしている。伊集院幼村長は「奄美だけでなく、全国で注目される施設になるよう我々(村)もサポートしたい。掘削工事により温泉が出ることを待ち望んでいる」と期待した。
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