3年目の商業捕鯨へ出港

家族らに見送られながら、3年目の商業捕鯨に向けて出港する第7勝丸(9日、和歌山県太地町で)
和歌山県太地町漁協の小型捕鯨船「第7勝丸」(32トン、乗組員5人)が9日、ミンククジラの生態調査や商業捕鯨に取り組むため、関係者に見送られながら太地漁港を出港した。31年ぶりに再開された商業捕鯨は、今年で3年目。昨年は捕獲数が少なく、コロナ禍で価格も落ち込んだことから、日本小型捕鯨協会の貝良文会長(61)=太地町漁協専務理事=は「今年は挽回したい」と話している。
ミンククジラを狙った商業捕鯨は、日本小型捕鯨協会に所属している太地町漁協の第7勝丸のほか、宮城県や千葉県の小型捕鯨船計4隻で操業。昨年の捕獲頭数は計95頭で、国が定めた捕獲の上限(132頭)の7割余りにとどまった。
今年はまず、第7勝丸など小型捕鯨船計4隻が三陸を拠点に、15~29日の日程で、日本鯨類研究所(東京都)によるミンククジラの生態調査に参加する。目視調査やDNAサンプルの採取、衛星標識の取り付けなどに取り組む予定で、貝会長は「昨年は沿岸にクジラが全然いなかった。海水温の上昇に伴って生息域が変化している可能性があり、調査によってクジラがどこにいるかが分かれば」と期待する。
商業捕鯨は4月3日からで、第7勝丸は青森県八戸市を拠点に取り組む予定。ミンククジラの当初捕獲枠は120頭(水産庁留保分を含めると上限は134頭)。状況にもよるが、10月末ごろまで漁を続けるという。
第7勝丸の竹内隆士船長(42)は「安全航海はもちろん、決められた頭数を全部捕れるよう頑張りたい」と意気込む。貝会長は「今年は何とか頑張って頭数を稼ぎたい。商業捕鯨になり、大きなクジラを捕れるのは大きなメリット。おいしいクジラを提供できるので、皆さんに食べていただきたい」と話している。
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