成人式の会場になるビッグオーシャン（和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドで）

　和歌山県白浜町は１２日、新型コロナウイルス感染症の影響で延期していた成人式を、町内にあるレジャー施設「アドベンチャーワールド」で５月９日に開くと発表した。新成人の思い出になるよう特別な形にしたいと町が打診し、施設が快諾した。
　施設は「新成人の方々の記憶に残る特別な成人式を提供できればと考えた」という。駐車料金や入園料を無料にするほか、式後に園内で滞在してもらってよいという。
　井澗誠町長は「コロナ禍で明るい話題が少ない中、新成人のために晴れ舞台を用意してくれたアドベンチャーワールドに心から感謝したい。せっかくの機会なので、新成人にはスマイルいっぱいの思い出をつくってもらえるといい」と話している。合併後の町の成人式が白浜会館以外で開かれるのは初めてになる。
　会場は、普段はイルカが出演するマリンライブをしている「ビッグオーシャン」（最大収容人数４千人）。出席者には前後と左右を空けて座ってもらう。新成人の中学校時代の恩師からのビデオメッセージは、会場の大型スクリーンで流す。例年の式典より簡素にし、正午から約４０分間にするという。
　町では当初、大型連休中の開催も検討したが、地域柄、観光関連業に従事する新成人や家族がいて、仕事を休めない人もいると判断。直後の日曜日に設定した。担当者は「新型コロナを巡る状況が今より悪くならない限り、再延期はしない」としている。
　出席者を把握するため、対象者には１２日、案内文とともに出欠確認票も合わせて郵送した。式当日は入園時に検温するほか、手指の消毒をしてもらう。体調も確認する。
　対象は２０００年４月２日～０１年４月１日生まれの２２４人。当初は１月４日に開く予定だった。