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紀伊民報社

熊野のウイスキー 世界へ

プラム食品が製造、販売するウイスキーやジン(和歌山県上富田町生馬で)

 和歌山県上富田町生馬のプラム食品(長井保夫社長)は、蒸留酒であるウイスキーやジンの製造、販売を始めた。ウイスキー製造は県内で初めて。富田川の伏流水を使用するなど、熊野の気候風土から生まれた酒として世界に売り出していきたいという。

 プラム食品は1969年創業。梅干し以外の清涼飲料水や菓子、ジャム、ゼリーなどの梅加工品開発からスタートし、80年代後半から梅酒、90年代後半からはワインの製造も手掛けている。2019年に創業50周年を迎えたことから、今後の50年を見据えて新規事業を計画。国税局から蒸留酒の製造免許を得て「紀州熊野蒸溜所」を開き、ウイスキーやジンの製造、販売に乗り出した。
 その準備段階で、スコットランドからスコッチウイスキーを輸入し、瓶詰めをして17年に商品化。アメリカでの酒品評会のワイン&スピリッツ部門で18、19の2年連続で最高評価を得た。
 その経験も踏まえ19年から製造を始めた。原料の大麦麦芽はカナダなどから輸入するが、仕込み水は富田川の伏流水を使って製造し、ミズナラなどのたるに入れて3年以上寝かせる。早ければ23年に県内初の単一の蒸留所で造られた「シングルモルトウイスキー」として発売したいという。
 これとは別に、スコッチウイスキーと国産モルトウイスキーをブレンドし、後熟させて仕上げるウイスキーを製造し、昨年11月に「熊野」の商品名で発売した。
 ジンも、アルコール度数や香り付けの違いで3種類に分けた「榊」シリーズのほか、県産のフルーツの香りが感じられる「KUMANO」を販売している。
 国産ウイスキーは近年、ヨーロッパやアメリカなど世界で人気があり、プラム食品のウイスキーも昨年、コロナ禍の中でも堅調だった。
 今後も販売は輸出がメインだが、プラム食品のホームページなどで買うことができる。上富田町や新宮市、湯浅町のふるさと納税の返礼品にもなっている。
 長井社長(71)は「シングルモルトは、その土地の水や風土、気候などの特徴が味になって表れる。県内唯一のウイスキーメーカーとして、愛される蒸留所となれるよう頑張りたい」と話す。将来的には、蒸留所を見学できるようにするほか、原料の大麦麦芽を国産にすることも目指したいという。

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