６種類の１級合格証書を手に荒屋さん

中標津高校商業科３年の荒屋くるみさん（１８）が、在学中に取得できる全国商業高等学校協会（東京）主催の検定全９種目中６種目で１級を取得した。現行数となった２０１０年度以降、同校では最多。３月の卒業式で同協会から表彰を受ける。決めた目標にまっすぐ努力する姿を教諭らは賞賛している。

荒屋さんは１年次に「電卓」と「商業経済」、２年次に「簿記」と「ビジネス文書」、３年次に「情報処理・ビジネス情報部門」と「珠算」で各１級を取得した。同協会は在学３年間で３種目以上の１級合格者を表彰しており、荒屋さんと同じ６種目の１級保持者は昨年度全国で７６９人いた。この年の総合格者数は７３万４２０１人だった。 　１年生で１級を２種目取っていることに、商業科主任の衣澤美敬教諭（４５）は「教わっていない内容を独学で学んでいる。（デジタル化で）試験内容も昔より複雑で難しくなっているだけにすごい」と感心する。

　触ったこともなかったそろばんは、昨年の新型コロナウイルス感染拡大による休校中の数カ月間で、動画サイト「Ｙｏｕｔｕｂｅ（ユーチューブ）」を見て覚えた。 　標津町からバスで片道４５分かけて通学する荒屋さんが心掛けているのは有効な時間の使い方。試験や検定の勉強は朝３時に起き、午前７時半のバス出発までを有効に使うという。担任の坂本優樹教諭（２９）は「時間の使い方は大人でも大事なこと。この先さまざまな困難に直面しても、努力したことを思い出してやりたいことに挑戦し続けて欲しい」とエールを送る。

　卒業後は北海学園大学（札幌）への進学が内定しており、将来は生徒の挑戦を後押しできる教員も職業の選択肢に入れる荒屋さんは「大学でも目標を持っていろいろなことに挑戦していきたい」と話している。