苫小牧市人口 減少幅が戦後初1000人超、年度内に17万人割れも
苫小牧市は18日までに、住民基本台帳に基づく2020年12月末の総人口を発表した。前年比1037人減の17万205人で、7年連続で前年を下回った。年間の減少幅が1000人を超えたのは戦後初めて。この減少スピードが続くと、今年度内に17万人を割る可能性が出てきた。

苫小牧市の人口推移
市政策推進課によると、20年総人口は、男性が前年比392人減の8万3313人、女性は同645人減の8万6892人。世帯数は、単身世帯や世帯分離の拡大を背景に同532世帯増の8万9992世帯に上った。7、9月末には一時、9万世帯の大台に乗った。 苫小牧市の人口は13年末に17万4469人のピークを迎え、翌年から減少傾向が続いた。減少幅は年200人台後半から700人台半ばで推移したが、20年末は1000人台に達し、減少率は0・61%と例年の2倍程度に上昇した。
自然動態(出生と死亡の差)を見ると、出生数よりも死亡数が多い自然減は11年末から10年連続となり、減少幅は年々拡大している。11年末の年間出生数、死亡数は共に1500人台で減少幅も78人だったが、20年末は出生数1152人(前年比6人増)に対し、死亡数は1970人(同43人増)で減少幅は818人まで膨らんだ。ただ、出生数は7年ぶりに増加に転じている。
一方、社会動態(転入と転出の差)は3年ぶりに転出が転入を上回る社会減となった。20年末の年間転入数5772人(同394人減)に対し、転出数は5997人(同19人増)で、社会減は225人に達した。 町別で見ると、年間の減少幅が100人を超えたのは▽日新町の4572人(同151人減)▽大成町の3427人(同141人減)▽勇払1812人(同109人減)―の3町。いずれも、洋紙生産事業から日本製紙勇払事業所が撤退した影響や市営住宅改築など、特別な地域事情を抱えている。
1995年に到達した17万人台の維持は厳しい情勢にさらされている。2020年は1、2月で計250人以上減っており、市政策推進課は「同じペースでいけば20年度中に16万人台に落ち込む」と指摘する。
市は人口減少対策に特化した新たな総合戦略(20~24年度)を策定し、地元雇用の拡大や子育て支援の充実、移住促進などの施策を展開中。同課は「産業都市として生産年齢人口(15~64歳)を増やす取り組みを推進しながら、人口減を食い止めたい」としている。
関連記事
新馬に熱い声援 ホッカイドウ競馬開幕 門別競馬場
2025年度の道営ホッカイドウ競馬が16日、日高町の門別競馬場で開幕した。初日は前年同日比330人増の1533人が入場し、馬券の売り上げも同8・5%増の7億962万円だった。 開幕セレモニ...
紅白の梅そろう 500年前の逸話再び 太宰府天満宮から白梅頒布 荘内神社
鶴岡市日吉町から同市内の荘内神社(石原純一宮司)境内へ移された天満大自在天神社で16日、太宰府天満宮(福岡県)から分けられた白梅の植樹祭が行われた。昨年11月に天満大自在天神社の新しい社が建立された...
西日本最大級のフラワーガーデン 25日、きらら博記念公園にオープン【山口】
県が山口市阿知須のきらら博記念公園に整備中のフラワーガーデンは、25日にオープンする。約2・5㌶の敷地に11品目、18万株の県産の花苗を植え、中国地方では最大級の規模となる。入場無料。 ...
帯広畜大卒の篠崎さん国立感染症研究所で奮闘 日英で獣医師免許
帯広畜産大を2023年3月に卒業し、イギリスで公衆衛生学の修士を取得した篠崎夏歩さん(26)が、今年から国立感染症研究所(本部東京)で働いている。畜大が持つ欧州獣医学教育機関協会(EAEVE)の...