ゲームで土砂災害学ぶ 和歌山高専の学生が開発

ゲームに挑戦する市野々小学校の児童(13日、和歌山県那智勝浦町で)
和歌山工業高等専門学校(和歌山県御坊市)の西萩一喜さん(21)=専攻科1年=が、土砂災害について学ぶことができるロールプレイングゲーム(RPG)を開発した。和歌山県那智勝浦町にある県土砂災害啓発センターの助言を受けながら研究の一環でつくった。13日には、同町の市野々小学校で開かれた防災学習でお披露目。啓発センターではこのゲームを体験でき、他の小中学校の防災学習にも活用していく方針だ。
西萩さんは串本町出身。地元の中学校を卒業後、和高専の環境都市工学科(5年間の課程)に進学。修了後、さらに2年間の高度な教育・研究を行う課程である専攻科エコシステム工学専攻(辻原研究室)で学んでいる。
以前から防災やゲームでの学習に興味を持っていたという西萩さんは、啓発センターを訪れるなどしてアドバイスを受けながら制作に取り組み、昨年12月上旬、半年余りかけて防災RPG「土砂災害が発生したとき」を完成させたという。
ゲームは、楽しみにしていた遠足が大雨で中止となり、大雨警報や土砂災害警戒情報、避難情報が発令される中で安全に避難所を目指すという内容。複数の選択肢から主人公の行動を選び、ストーリーを進めつつ土砂災害について学ぶことができ、地すべりの瞬間など実際の映像も盛り込んでいる。クリアにかかる時間は15分ほどで、選んだ答えによって最後に点数が発表される。
市野々小学校では、西萩さんもリモートで参加する中、5、6年生9人が2人一組になって体験。子どもたちはゲームに夢中になりながら土砂災害について学んだ。6年生の中村幸幹君(12)は「土砂災害について、聞くだけでは何が起こるか詳しく分からなかったけど、ゲームでシミュレーションのようなことができたので分かりやすかった。今日は88点だったので、次は100点を目指したい」と笑顔をみせた。
西萩さんは「自分の身の回りでも土砂災害が起こりうることを分かりやすく伝えるにはどうすればよいか、啓発センターの方々と相談しながら制作に取り組んだ。子どもたちが真剣にやってくれていて、とてもやりがいを感じた」と手応え。啓発センターの坂口隆紀所長は「子どもたちは前向きに興味を持って取り組んでおり、より理解が深まったように思う。子どもが学ぶことで家族にも伝わる。県内各地で積極的に活用していきたい」と話していた。
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