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紀伊民報社

雪の中で張り子ゆらゆら

雪が降る中でつり下げられた張り子(12日午前7時半、和歌山県田辺市本宮町川湯で)

 和歌山県田辺市本宮町川湯で12日、雪が降る中、川湯温泉街を流れる大塔川をまたいで、恒例の巨大な張り子がつり下げられた。今年の干支(えと)「丑(うし)」にちなんだり、コロナ禍の収束を願ったりするものなどがあり、2月中旬まで掲げる予定。
 この日営まれた川湯十二薬師祭の一環。張り子などは「揚げ物」と呼ばれる供え物で、江戸中期に始まったといわれている。
 揚げ物は九つで、地元の宿泊施設と熊野本宮観光協会がそれぞれ、全長5メートルほどある巨大なアユや疫病を退散させるとされる妖怪「アマビエ」、牛などを模した張り子、熊野地方に伝わる「三体月」や牛をデザインした絵馬を制作した。
 川湯自治会の小渕昇会長(75)は「こんな雪の中で揚げ物を揚げさせてもらったのは初めて。地区には観光に従事している人が多いので、コロナ禍が早く収まってほしいという願いを込めて揚げ物を作ってくれたと思う」と話していた。

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