塩蔵山菜が需要期、能代山本の直売所にぎわす
塩蔵山菜が豊富に並んでいるグリーンぴあ
能代山本で、塩漬けしていた山菜が需要期を迎えている。産地直売所では、塩抜きしたエニョ(エゾニュウ)やワラビ、フキなどがこの時期の看板商品の一つとして豊富に並び、消費者の関心を集めている。三種町では郷土食「きゃのこ汁」(「けだて」などとも言う)の材料として活用されており、産直会員が冷たい水に耐えながら塩抜きするなど、手間と愛情を込めながら販売している。
山菜の宝庫で、豊富な種類が採れる能代山本地域。昔から冬場の食材として使おうと、春に採った山菜や秋のキノコを塩漬けして保存しておく知恵が残っている。産直の店頭では、冬場を中心に塩抜きした山菜が看板商品の一つとして並ぶようになる。
三種町鹿渡のグリーンぴあではベテラン会員の女性5、6人が塩蔵山菜を販売しており、年末から品ぞろえが豊富になった。現在は塩抜き済みのフキやエニョ、ワラビなどが棚いっぱいに並んでいる。各山菜を切って混ぜ合わせた「山菜ミックス」もある。
同店によると、塩蔵山菜は油炒めや煮付けはもちろんだが、琴丘地域では郷土食「きゃのこ汁」の材料に使われる。妻や母親など女性たちが体を休ませられるよう大量に作っておいて小正月に食べる料理。煮干しや昆布でだしを取った後、塩抜きした山菜やジャガイモなどを入れて火にかけ、具材が軟らかくなったら味噌(みそ)を加えて完成させる。
塩蔵山菜を販売している会員の1人、国柄ミヨ子さん(71)=鹿渡=は、夫婦で春に山菜を採り、すぐに塩漬け。大小10個のたるにフキやエニョ、ミズが保存されている。30歳を過ぎた頃から塩漬けを続けており、変色しないようたるの上の方にフキの皮をかぶせるなど、ベテランならではの“技”を発揮している。
冷たい水に耐えながらの塩抜きや皮むきは大変というものの、「冬に出せる野菜が少ないし、売れ行きもいいから」と慣れた手つきで作業。塩蔵山菜のお薦めの料理法は煮付けだが「今の時期はきゃのこ汁」とし、「若い人は食べなくなったが、味を覚えている人は食べたくなるはず」と話した。
同店は新型コロナウイルスの感染予防のため毎年恒例の「きゃのこ汁まつり」の開催を見送ったものの、塩蔵山菜は冬場の人気商品とし、「昔ながらの味をおうちで楽しんでもらいたい」と話している。
関連記事
アキモク鉄工の「マイクロバブル」洗浄機、哨戒機の塩害腐食防止に活用へ 能..
産業機械製造の「アキモク鉄工」(能代市扇田、花下智之社長)は9日、超微細な気泡「マイクロバブル」を放射しイオン結合で車体に付着した塩類を除去する洗浄機を、海上自衛隊八戸航空基地(青森県八戸市)に...
柏木遺跡で柱穴発見 古代の建物か塀の可能性も【山口】
山口市陶の柏木遺跡で、古代の建物の一部と見られる柱穴が見つかった。鋳銭司の貨幣鋳造所「周防鋳銭司(すおうのじゅせんし)」と同時期のものとみられ、関連があるかどうかさらなる調査が待たれる。調査し...
子どもたちが田原凧作り
田原市の「田原凧(たこ)保存会」は、凧作り教室を「田原まつり会館」で開いた。保存会の凧師が指導する「凧の学校はやぶさ」の生徒らが学んだ。 保存会で請け負っている「賞状凧」作りの一環。凧...
優しい色使いに細かな描写 絵本「あんぱるぬゆんた」原画展
八重山に伝わる民謡「あんぱるぬみだがーまゆんた」を題材にして作られた絵本「あんぱるぬゆんた」の原画展(我がーやいまの自然環境を考える会主催、アンパルの自然を守る会共催)が12日から石垣市民会館...