穂別で2例目の恐竜化石、30年前に採取 北大・小林教授「新種の可能性高く」

記者会見で発表された化石標本。新種の可能性が期待されている
むかわ町と北大総合博物館の小林快次教授が6日、同町内で記者会見し、約30年前に穂別地区で採取された化石が恐竜のものと発表した。2003年に発掘されたハドロサウルス科の植物食恐竜「カムイサウルスジャポニクス」(通称むかわ竜)とは異なる肉食種とみられ、小林教授は「新しい恐竜の可能性が高い。むかわ竜にも匹敵する発見」と期待感をにじませている。
道の駅「四季の館」で開かれた会見には、小林教授のほか、竹中喜之町長、穂別博物館の関係者が出席。小林教授は新たに見つかった化石について「町内では2例目の発見になる」などと述べた。
穂別博物館の説明によると、1990年ごろに同町内の化石収集家、堀田良幸さんが旧穂別町の河川でノジュールという岩のような塊を採取し、2002年に寄贈を受けた。昨年6月からクリーニング作業を始めたところ、化石とみられる部位があったため小林教授に調査を依頼していた。
小林教授は、骨盤が鳥に似ている「鳥盤類」に大分類されるむかわ竜に対し、調査中の化石は骨盤がワニやトカゲなど爬虫(はちゅう)類に似た「竜盤類」と説明。その中で二足歩行をする「獣脚類」の肉食恐竜であると推定している。九州地方では多く発見されているが、道内では上川管内中川町と芦別市に次ぐ3例目で「(鳥盤類と竜盤類の)両方の化石が発掘されたのは道内でむかわ町が初めて」と強調した。
これまでの調査では、肋骨(ろっこつ)と後ろ脚、骨盤などが取り出されており、むかわ竜が生息した7200万年以前の時代をさらにさかのぼって、恐竜が栄えていた白亜紀後期(約7200万~1億年)のものと分析している。
小林教授は「獣脚類の中でも鳥に近い。恐竜から鳥類に進化していく過程を示すものとしては、重要な化石になるのではないか」としており、今後さらに詳しく調査研究を進める考え。
竹中町長は「胆振東部地震から2年4カ月。新たなまちづくり計画の策定を進めており、この化石標本がむかわルネッサンス的なものになれば」と話している。
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