5月10日の「黒糖の日」にちなみ、黒糖づくりで消費ＰＲを行う竹富町と八重山地区糖業技術研究会員ら＝16日午前、仲間港旅客待合所前

　5月10日の「黒糖の日」にちなみ、竹富町と八重山地区糖業技術研究会(砂川喜信会長)は15日、西表島仲間港旅客待合所前で「黒糖づくり・黒糖の日セレモニー」を行い、できたての黒糖を観光客や島民に提供してPRした。

　黒糖の日は、県含みつ糖対策協議会が2010年に制定。県産黒糖が出回る時期にあたる同日から9月6日(黒の日)までを消費拡大キャンペーン期間としている。県内で黒糖を生産する8工場のうち竹富町は西表島、小浜島、波照間島に3工場がある。

　黒糖づくりでは、サトウキビのしぼり汁を大鍋に入れ、灰汁(あく)をすくいながら煮詰めると甘い香りが。とろみがつくまで3時間以上煮詰め、火から下ろすと長い棒でかき混ぜながら風を送って冷やし、鍋から移して固めた後、砕いた出来たてを来場者に配った。「とろみもついて出来上がるまではチョコレートのようだった」「思ったよりクセもなく香ばしい」などと反応も上々。

　同研究会の砂川会長は「出来たてのおいしい黒糖をPRできてうれしい。黒糖は島の宝。島の発展にサトウキビは重要。島の魅力とともに黒糖消費をPRしたい」とあいさつ、西表糖業(株)の上原直彦社長は「さらなる生産に努力してもらいたい」と協力を呼び掛けた。

　竹富町の小濵啓由産業振興課長が「干ばつが心配されたが、豊作の年になった。近年はミネラルなどの健康効果も認知され、消費者に安心安全な黒糖を届けるべくPRに力を入れたい」と西大舛髙旬町長のあいさつを代読した。 　同研究会は16日、西表島のサトウキビ生産者を回り、株出しの検討会を実施する。