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紀伊民報社

静かに「ただいま」 コロナ禍で帰省まばら

帰省シーズンだが、大きな荷物を持った乗客が少ないJR紀伊田辺駅(29日、和歌山県田辺市湊で)

 年末年始を古里で過ごす人たちの帰省が29日、和歌山県の紀南地方でも本格的に始まった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により、政府が「静かな年末年始」を呼び掛ける中、鉄道や航空機は空席が目立っている。

 JR紀伊田辺駅では特急が到着しても大きな荷物を持つ客は少なく、例年なら出迎える人でにぎわう改札口も混み合うことはなかった。
 大阪府豊中市から帰省した女性(53)は「電車はガラガラだった。大阪は和歌山以上にコロナが広まっているので、細心の注意を払っている。2、3日実家でゆっくりしたい」と話した。
 県外に出ている若者も帰省には慎重になっている。上富田町出身で千葉県在住のサービス業女性(20)は「成人式も延期になったし、帰省はしない。今年はゴールデンウイークやお盆も帰らなかった。早くコロナが収束してほしい。友達と会いたい」と話す。
 帰省した田辺市出身で兵庫県在住の大学生女性(19)も「1人暮らしはしんどいので、正月くらいは家族と過ごそうと思った。人混みを避けるため、親に車で迎えに来てもらった」と周囲に気を使いながら地元で過ごしている。
 迎える側も思いは複雑だ。田辺市下屋敷町の女性(68)は「横浜市に娘夫婦と孫がいるが、年末年始は帰省を控えてもらった」という。「昨年は年に4、5回、横浜市まで会いに行ったが、今年はゼロ。週1回のビデオ通話で、孫の成長を見守っているけれど、早く会いたい」と願った。
 田辺駅前の飲食街「味光路」にある居酒屋は「毎年、同窓会に対応するため1月2日から開けるが、今年は予約ゼロ。年末年始は長めの休みを検討している」、田辺市内のビジネスホテルも「例年は帰省と観光客で満室だが、今年はガラガラ。いっそ休業したいくらい」とため息をついた。
 JR西日本によると、新大阪―白浜間の特急指定席は30日~1月3日のいずれの便も席に余裕がある。29日午前9時58分に紀伊田辺駅着の特急自由席乗車率は45%だった。
 日本航空によると、1日3往復の定期便がある南紀白浜―羽田は、30日~1月3日のどの便も席に余裕がある。予約率は最大でも55%程度で、10%ほどの便もある。

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