日本復帰前の賞状、見つけた 姶良市の国山さん 当時の暮らしに思いはせ

本土との行政分離中の小学4年生時の賞状に「当時を思い出す」という国山敦子さん
鹿児島県姶良市に住む奄美出身の女性宅に、奄美群島と本土の行政分離期の1952年に行われた、奄美群島政府と琉球臨時中央政府資源局主催の作文コンクールの賞状が保管されている。受賞した女性が嫁入り道具として持参した、たんすの整理中に見つけた。賞状を眺め、日本への復帰を目指した人々の暮らしや、当時の町の様子を思い出すという。
この女性は、旧名瀬市(現奄美市名瀬)出身の国山(旧姓・元田)敦子さん(81)。賞状は奄美の日本復帰前年の1952年2月、名瀬小学校4年生の時に森林愛護週間の作文コンクール入選で授与された。今年11月に不要な家具や生活用品を処分しようと整理した際、結婚した1966年に持参した、たんすの奥から見つけた。通知表とともに母の克枝さんが大切にしまっておいたとみられる。
賞状が保管されていると知らなかった国山さんは、賞状を手に「奄美の人々は貧しい暮らしを強いられ、子どもたちは屋外でもはだしだった。復帰当日、ちょうちん行列で喜んだことも忘れられない」と話し、「行政分離期の時代や復帰への歩みが、島の子どもたちにいつまでも語り継がれてほしい」と願った。
コンクール主催者として、賞状に奄美群島政府とともに表記されている琉球臨時中央政府は、51年4月から52年3月までの1年間だけ設けられた暫定的な統治機構。52年4月に発足した琉球政府に業務が引き継がれた。夫の光男さん(79)は「本土との行政分離中、1年間限りの行政機関の名称が記された賞状は記念になる」と話し、額縁に入れて保管している。
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