だるまたき上げ祈り 静かに観音様のお歳夜
観音様のお歳夜(としや)に当たる17日、師走の風物詩・だるま市で知られる鶴岡市本町二丁目の七日町観音堂の境内で、だるまや古いお守りなどをたき上げ、新型コロナウイルス感染症の撲滅や天下泰平などを祈祷(きとう)する、だるま祭りが行われた。
だるま市の起源は諸説あるが、七日町町内会によれば藩政時代、七日町にあった遊郭の遊女が観音様のお歳夜にだるまを買い求め、自分の身の不幸をだるまに置き替えて川に流したという言い伝えがある。次第に庶民がだるまを買い求めるようになり、現在のだるま市に発展した。例年はだるまや縁起物販売などの露店が立ち並び、福を求める人たちでにぎわうが、今年は感染症拡大の影響で出店を中止。雪が降り積もる中、静かな祭りとなった。
同日は日暮れとともに、袋いっぱいにだるまなどを詰め込んだ人が訪れた。定刻を迎えると山積みになっただるまに火入れをし、勢いよくたき上げた。その後、境内では御祈祷祭が行われ、コロナ感染症の鎮静、合格祈願、安産祈願、交通安全などの願いが込められた約50本の護摩木(ごまぎ)をたいて祈願した。
七日町町内会の吉川義雄会長は「こんなに寂しいお祭りは初めて。お店を出せないことはとても残念だが、今まで絶やすことなく続けてきたお祭りをなくすわけにはいかないと思った。たき上げた火の勢いを見ていると、火とともにコロナもどこかへ消えていかないかなと思った」と話していた。
雪がちらつく中、だるまなどの縁起物に火入れし、たき上げた
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