大島紬で新たな表現 全国伝統的工芸品公募展 たけがわ織物、川口さん入選

けがわ織物のサンゴの誕生を表現したデザイン、作品「たんじょう」川口さんの「奄美のくろうさぎバッグ」と「大島紬の名古屋帯」(手前)=国立新美術館=5日、東京・港区
2020年度全国伝統的工芸品公募展(主催・一般社団法人伝統的工芸品産業振興会)が、11月28日から12月7日まで東京・国立新美術館で開催された。鹿児島県奄美大島からは、たけがわ織物(奄美市)と川口美喜枝さん(龍郷町)の大島紬の作品が入選。アマミノクロウサギやサンゴなどをデザインに取り入れ、自然豊かな奄美の魅力を表現した作品が注目を集めた。

同公募展は45回目。伝統的技術・技法に、現代生活の中で使われるための新しいアイデアや表現を取り入れた市場性のある作品を公募し、製品開拓につなげるのが目的。今回は全国から254点の応募があり、117点が入選した。
たけがわ織物の作品「たんじょう」は、竹川忠克代表(62)がプロデュース。伝統工芸士の重原俊光さん(72)が締加工を行い、池田ヒロ子さん(69)が織り上げた。竹川さんは「奄美の深い海底の夜、花のように美しい色を咲かせるサンゴの静かな誕生の瞬間を大島紬で表現した。作品を通じて新しい未来への思いをめぐらせてもらえれば」と作品に込めた思いを語った。

川口さんは、大島紬の糸を素材に作り上げた「奄美のくろうさぎバッグ」と「大島紬の名古屋帯(名古屋仕立て)」の2点を出品。奄美の動物を代表するアマミノクロウサギとルリカケスをデザインに取り入れ、伝統工芸士の高い技術で織り上げた。入選の知らせを受け「これからも大島紬と奄美の草木や海藻などの天然素材を組み合わせた作品作りを通じて、奄美の豊かな自然と生命の躍動を表現したい」と語った。
入賞・入選作品を展示する「優秀作品展」が今月18日から1月7日まで、伝統工芸青山スクエア(東京都港区)で開催される。
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