「鶴工シルクプロジェクト」チーフとクリーム完成
鶴岡市の鶴岡工業高校(百瀬克浩校長)の生徒が創立100周年記念の「鶴工シルクプロジェクト」の一環で制作していたシルクチーフとシルククリームが完成し3日、デザインに家紋を使わせてもらった旧庄内藩酒井家第18代当主で致道博物館館長の忠久さん(76)=家中新町=らにプロジェクトを報告し、完成品をプレゼントした。
同校は1895(明治28)年、地域で盛んだった絹織物の人材養成のため開校した鶴岡染織学校を前身に1920(大正9)年、創立された。100周年の今年は学校の原点「シルク」に焦点を当て、7月にプロジェクトを立ち上げた。1―3年生の希望者23人が山形大や県立産業技術短大、地元企業の協力で、戊辰戦争後に旧藩士が刀を鍬に代え松ケ岡を開墾して絹産業を興した歴史を学び、チーフやクリームの制作、養蚕自動工場の研究に取り組んだ。資金は今春にクラウドファンディングで集めた126万円を使った。
このうちチーフは、著名なプランナー・佐藤成美さんらの指導を受け、酒井家の家紋「丸にかたばみ」に、さやに収めた刀や鍬を加えたロゴ、繭玉などをあしらった4種を自分たちでデザイン。東福産業(外内島)で捺染(なっせん)も行い、約800枚を完成させた。約200枚はクラウドファンディング、約600枚は創立100周年の各関係者への返礼品に使う。大きさは43センチ四方。
クリームは医療品・化粧品製造の高研鶴岡工場(宝田一丁目)の協力で、シルク由来のタンパク質セリシンを使い、保湿・紫外線カットの機能に優れたものを開発。パッケージデザインも自分たちで考えた。
この日は2年生4人が致道博物館を訪れ、酒井忠久館長と長男の忠順副館長に報告。ともに情報通信科の鈴木慧さん(17)は「チーフのデザインは侍が刀を鍬に代え開墾した鶴岡のシルクの歴史を盛り込んだ。プリントは大変だったが、貴重な体験になった」、佐藤菜々美さん(17)は「クリームはラベンダーの香りを付け、男女が使えるものにした」などと説明し、完成品をプレゼントした。
忠久さんは「染織学校があったおかげで鶴岡は発展できた。鶴工の力は大きい。若い人が活躍してくれるのはうれしい。今後もいろいろな発展につなげて」と激励した。
忠久さん(右手前)、忠順さん(同奥)に完成品を説明した鶴工生たち
生徒がデザイン、捺染して完成させたシルクチーフ
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