市教育委員会 「世持井戸」(大川)を文化財指定 水源確保の手がかり
石垣市教育委員会は25日、市内大川の掘り井戸「世持井戸(ユムツィンガー)」を、市文化財の史跡に指定した。水源確保など島の生活史を研究するための手がかりとして、保存、活用が期待される。市の文化財の新規登録は5年ぶりで、計73件になった。
同井戸は大川102番3に所在。深さ17・2㍍で、つるべを使って水をくむ形式の「掘りぬき井戸」。松茂氏の系図家譜によると、松茂氏6世の宮良當儀が掘ったとされ、市文化財審議会(石垣博孝委員長)は、時期を1757年ごろと見ている。
市の井戸の変遷については、水面近くまで人が降りて直接湧き水をくむ形式の「降り井戸」から、「掘り抜き井戸」へ変化したと考えられている。掘り抜き井戸に関する記録は少ないため、世持井戸は石垣島の掘り抜き井戸の歴史を研究するための重要な手がかりとなると考えられる。
文化財審議会は答申で、掘り抜き井戸の登場を1694年とした上で、63年後に掘られたと考えられる世持井戸の深さが17・2㍍と市内屈指であることから「掘削技術の進歩があったものと思われるが、この技術がどのように継承され、掘り抜き井戸がどのように普及していったかについては不明な点が多く、これからの重要な研究課題」とした。
井戸の文化財史跡としては4カ所目。市文化財審議会は市教委の諮問を受け、24日に同井戸の指定に同意する旨を答申。25日の市教委定例会で承認された。
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