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長野日報社

中川村出身兵の手紙を後世に 軍事郵便データ化へ

中川村歴民館でデジタル写真のデータ化をする軍事郵便の一部

 中川村歴史民俗資料館は、所蔵する明治期から第二次世界大戦終結後までの戦争に関係する兵事書類のうち、村出身の出征兵士が当時の村役場に宛てた軍事郵便をデジタル写真に撮り、画像データとして保存する作業を始めた。はがきや書簡は経年劣化で紙の傷みやインクの退色が著しく「現物保存では今後判読できなくなる懸念がある」として対応した。同館では「軍事郵便は戦時中の状況が分かる貴重な資料。データ化して後世に残したい」としている。

 中川村は1958年、旧南向村と旧片桐村が合併して誕生。同時に過去の行政文書も引き継がれた。中でも兵事書類は国から焼却が通達されたため、大半の自治体で処分したが、両村では多くの書類が残り、今は同館が管理する。

 このうち軍事郵便は約5000通を保存。現在データ化するのは、日中戦争時に村出身の兵士が中国から旧南向村役場へ送った38(昭和13)年頃の手紙で、同館学芸員の米山妙子さんによると「約80年がたち、手が触れただけで破れる便箋もある」という。

 手紙のうち、中国へ出征した男性たちは「敵の襲撃に遭いましたが、さしたる程のものでもありません」、「敵機も沈黙を続けております。長期戦を標榜して居るだけに、そのやり口たるや実に癪に障るものがあります」「毎晩逆襲があります。付近には砲弾が落ちるので壕の内に小さくなって居ます」などと戦況を書き記した。

 一方で「毎日毎夜の蚊や蝿の空襲には閉口します」「気温も(華氏)百二十度(摂氏約48度)位に達する日は珍しくありません」と過酷な環境を説明したり、「一等兵に進級致しました。前線なのでこの郵便物をいつ出せるか解りません」とする内容もある。

 米山さんは「兵士の手紙は軍の検閲があり、軍事機密や個人の心情には触れてないが、行間からは戦地での大変な思いが伝わる。今後、時間を掛けて内容を調べ、当時の状況を把握する必要がある」とし、「手紙は判読が難しくなるまで間がなく、作業は時間との勝負」とも述べた。

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