野鳥のために海岸のゴミ清掃【釧路】
海岸で清掃活動をする横山さん
希少な野鳥が飛来する釧路の海岸にたくさんのごみがあることに心を痛め、一人で清掃活動を始めた釧路市の会社員横山篤史さん(46)が今月、ボランティア団体「くしろ うみぴりか」を立ち上げた。インターネット交流サイト「インスタグラム」で横山さんの活動を知った人たちが参加するなど輪が広がっている。
横山さんは野鳥観察が趣味で、主に釧路市の星が浦海岸にやって来る野鳥の記録をとっているが、チドリやシギ、カンムリカイツブリ、エトピリカなど環境省のレッドリストに登録されている鳥も見られるという。しかし、それと同時に釣り糸や漁網、ごみが絡まって死んで打ち上げられた海鳥の姿もたくさん目にしてきた。「生き物が自然に死ぬのではなく、人のごみが原因で命を失わせてはならない」と考えた横山さんは、一人で海岸の清掃活動を開始。ごみの状況や清掃できれいになった海岸の様子をインスタグラムに投稿した。
すると以前から横山さんのインスタグラムを見ていた人たちから「手伝わせてほしい」という声が上がるようになり、活動に参加する人が少しずつ増えてきた。そこで、横山さんは活動を円滑に行うため、ボランティア団体を設立。ごみを回収してもらえるよう釧路市の環境事業課にかけあったり、土地所有者や近隣住民の承諾を得るなど一人で駆け回り、活動を続けている。
これまでに清掃を行ったのは星が浦のほか、大楽毛、知人の海岸。25日に行われた知人での清掃活動には10人が参加し、約40袋分のごみを回収した。空き缶やペットボトル、漂着ごみなどのほか、不法投棄と見られる車のシートもあった。
この日参加した釧路町の主婦(53)は「写真を撮るときにごみも写ってしまうのが嫌だった」と活動に加わった理由を話した。ほかにも子供が遊べる海岸にしたい、「ジュエリーアイス」と呼ばれる宝石のような氷塊が打ち上げられる大楽毛の海岸を知ってほしいなど、参加者の思いはさまざま。横山さんは「小さな活動だが、少しでも次の世代に環境を残せたら。無理せず、気楽に、ゆるく活動していきたい」と話している。 年内の活動はほぼ終わりで、来年は暖かくなってから活動を再開する。
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