観光列車「銀河」を紀南へ JRに要望

JR西日本が9月から運行を開始した「WEST EXPRESS 銀河」(大阪駅で)=JR西日本和歌山支社提供
JR西日本が9月から運行を開始した観光列車「WEST EXPRESS(ウエスト エクスプレス)銀河」の誘致について、紀南7市町村と和歌山県が7日、JR西日本に要望した。新宮市の田岡実千年市長は「新たな観光の起爆剤になると大いに注目、期待している」と協力を求めた。
「銀河」は9月11日にデビュー。11月までの3カ月間、夜行特急として、京都・大阪と山陰方面を週2往復程度運行している。途中、鳥取県や島根県の駅に停車。ガイドツアーによる出迎え・見送りイベント、特産品を使用したジュースや特製駅弁の販売のほか、期間限定で駅舎待合室に地元神社を分祀(ぶんし)し参拝してもらうなどといった「おもてなし」をしているという。車内では仮想体験できる機器「VRゴーグル」で鳥取県の星空観賞を体感してもらうスペースも設けている。
新宮とすさみ、串本、古座川、那智勝浦、太地、北山の7市町村と県は2年前から、鉄道を活用した観光活性化について勉強会や意見交換会を開き「銀河」誘致を議論してきた。
田岡市長は7日、和歌山市のJR西日本和歌山支社を訪れ、7市町村と県を代表し、冨本直樹支社長に要望書を手渡した。田岡市長は「地元自治体、観光関係団体、事業者、地域住民とともに魅力ある観光メニューを開発し、山陰に負けないおもてなしをしっかりと用意したい。紀南地域への運行をお願いしたい」と要望。冨本支社長は「銀河は山陰地方では、地元の皆さんの協力もあり、ずいぶんと好評を頂いている。銀河が紀南を走る日の実現に向け、ともに頑張っていきたい」と話した。
銀河は、12月から来年3月まで大阪から山陽方面に昼間特急として運行する予定だが、和歌山支社によると、これ以降は未定。JR西日本管内の各地から運行の要望があるというが、和歌山支社は紀南は食や温泉、ジオパーク、熊野古道など豊富な観光資源が強みになるといい、実現に向け社内でも強く働き掛けていきたいとしている。
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