「庄内北前ガニ」水揚げ 基準緩和で流通量拡大に期待
庄内浜の底引き網によるズワイガニ漁が1日、解禁され、各漁港にはデビュー2年目となるブランドガニ「庄内北前ガニ」が次々に水揚げされた。昨季は基準が厳し過ぎて出荷が少量にとどまった反省から、今季は基準を緩和、より多くの水揚げが見込まれるため、漁業者は「庄内のカニのおいしさが広まれば」と流通量の拡大に期待を寄せている。2日には、庄内地方の飲食店で同カニを提供する「庄内北前ガニキャンペーン」もスタートした。
解禁初日の1日、鶴岡市の由良漁港には、未明から出漁していた船が午後3時前から次々に寄港。水揚げしたブランド候補の活ガニを、船長らが1匹ずつ重さを測り、基準をクリアしたものには「庄内北前ガニ」のタグを付け、水を張った発泡スチロール容器に入れた。
第2千祥丸の佐藤栄一船長(57)=同市由良一丁目=は「いいカニも入ったが、初日としてはもう少し捕れてほしかった。出荷基準が緩和されたので、たくさん食べてもらい、庄内のカニのおいしさが広まればうれしい」と話した。この日は10匹ほどにタグを付けた。
ブランドの出荷基準は昨年、県や県漁業協同組合が▽重さ1キロ以上▽甲羅幅13センチ以上▽10―1月に底引き網で捕れた雄の活ガニ―などと設定。しかし、基準が厳し過ぎたため、初年度に出荷できたのは39匹(46・7キロ)にとどまった。漁業者や飲食店から基準を緩和して流通量を増やすよう求める声が相次いだため、今季は甲羅幅は問わず、重さを「700グラム以上」に緩和、従来基準のものは「庄内北前ガニ特選」として出荷することにした。
県庄内総合支庁水産振興課によると、1日は庄内浜全体でズワイガニ狙いで15隻が出漁。酒田、由良、鼠ケ関の3港に、庄内北前ガニ81匹、特選1匹(いずれも2日朝時点の速報値)を水揚げした。庄内浜のズワイガニ漁獲量は年30トン前後。新基準では庄内北前ガニ5トン程度の出荷を見込んでいる。
一方、キャンペーンは県庄内総合支庁や県漁協、沿岸市町などでつくる庄内浜ブランド創出協議会が、昨シーズンに続き実施。来年1月15日(金)までの間、庄内地方の和食や洋食などの飲食店、宿泊施設などの23店で庄内北前ガニを含む庄内浜産ズワイガニの料理を提供、おいしさをアピールする。各店に備え付けのアンケートはがきに回答すると、抽選で10人に参加店で使える3000円相当の飲食券がプレゼントされる。
問い合わせは協議会事務局(庄内総合支庁水産振興課)=電0234(24)6045=へ。

水揚げしたズワイガニに「庄内北前ガニ」のタグを付ける漁業者=1日午後3時すぎ、鶴岡市の由良漁港
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