石垣市石垣の旧県道79号線で交通事故に遭い２月25日に保護されたカンムリワシが29日、約７カ月に及ぶ治療とリハビリを終えて自然に返された。左足には番号「８」が刻印された赤色のリングを装着しており、石垣自然保護官事務所では「保護活動の貴重なデータとなるので足環を付けたカンムリワシを見つけたときはカンムリワシリサーチまで連絡してほしい」と情報提供を呼び掛けている。

　放鳥されたカンムリワシは、旧79号線ののり面下で動けなくなっているところを観光客が発見し八重山署に通報。警察から連絡を受けた石垣自然保護官事務所の職員が保護し、県野生動物救護獣医師のたまよせ動物病院に収容された。

　検査の結果、右翼に出血と骨折があることから交通事故に遭ったものと診断。治療の結果、野生復帰が可能と判断され事故現場に近い前勢岳林道出口付近の農地で放鳥された。 　放鳥には長年、総合学習の一環で野鳥観察を行っている大本小学校の児童らも参加。児童全員で話し合い、優しく育つことを願って「ククル」と名付けた。

　鋭い目つきと大きな爪を持ったカンムリワシを間近で見ると児童たちは「かっこいい！」などと目を輝かせた。

　同事務所では「自動車を運転する場合は法定速度を順守して、カンムリワシなど野生動物との交通事故を起こさないよう注意してほしい」と呼び掛けるとともに「万一、事故を起こしてしまっても故意でない限りは罪に罪に問われることはない」として迅速な通報を訴える。