協働の学校運営へ
地域が学校運営に参画する「コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)」を、町内の全3小学校に本年度導入した三川町の初めての学校運営協議会が15日夜、同町のテオトルで開かれた。全体会と学校ごとの分科会を行い、学校と地域の協働による学校運営への理解を深めた。
コミュニティ・スクールは学校運営協議会を設置した学校で、地域代表や保護者が学校運営の基本方針を承認したり、教職員の任用について意見を述べることができる制度。2017年の改正地方教育行政法で設置が努力義務化された。町は学校・地域・家庭が一体となって「社会総がかり」で教育を支える仕組みづくりに向け本年度、横山、東郷、押切の3小学校に導入。協議会委員は自治組織や保護者、学校支援グループの代表、校長ら各校10人前後で組織した。
町はコミュニティ・スクールの導入に併せ、19年の改正社会教育法で位置付けられた「地域学校協働活動」の取り組みも同時にスタートさせた。地域と学校が目標を共有して行う「連携・協働」型の活動で、地域と学校をつなぐ統括・地区担当コーディネーターを新たに配置し、これまで以上に多くの住民の参画による多様な活動に取り組む。コミュニティ・スクールとの両輪で、地域ぐるみで町の子どもの教育に関わり、地域と共にある学校づくりを進化させる体制を整える。
初の全体会議には各校の協議会委員と町教育委員会の担当者、コーディネーターら約50人が参加。町教委側があらためてコミュニティ・スクールと地域学校協働活動との連携について説明した。協議会委員からは「委員の意見がどの程度反映できるのかが、まだよく分からない」「堅苦しく考えず、何でも言い合える協議会であるべき」「子どものいない家庭を含め地域みんなで子どもを育てようという雰囲気づくりが大切」「協働活動の事業費は町にしっかりと予算措置してほしい」などの意見、要望が出された。
本年度は「試行的な取り組み」(町教委)としており、22年度には三川中にも導入する。町の鈴木孝純教育長は「学校・地域・家庭の社会全体で子どもの教育に当たる本来の姿を取り戻し、コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の両輪で町の教育を発展させたい。学校を地域の核に町民一人一人が参画する。まちづくりの取り組みの一つとしても進めていきたい」と話している。

コミュニティ・スクール導入と地域学校協働活動について意見を交わした初の町学校運営協議会
関連記事
後輩に、想いよ届け 統合中の建設記念で催し
和歌山県印南町教育委員会は12日、同町印南の宇杉ヶ原団地周辺に造成中の統合中学校建設予定地で、統合中学校建設記念イベント「4校の伝統を新設校へつなぐ 石に想(おも)いを込めて」を開いた。統合す...
細部まで精巧「船の模型」 苫信本店で展示 苫小牧
苫小牧信用金庫本店(表町)でロビー展「船の模型作品展」が開かれている。模型の制作者は、昨年11月に亡くなった中村五郎さん(享年95)と、娘婿の澤谷佳典さん(69)=市花園町=。木材で細部まで精巧...
帯広大谷短大の山本さんレシピ地域賞 全国「チー1グランプリ」
長いもとゆりねと納豆の春巻き チーズとご当地食材を使った全国料理レシピコンテスト「第13回チー1グランプリ」(チーズ普及協議会など主催)で、帯広大谷短期大学(大森行雄学長)地域共生学科食と栄養...
地元役者の名演 見えにファン沸く 黒森歌舞伎 酒田 正月公演
酒田市黒森地区に伝わる農民芸能「黒森歌舞伎」(県指定無形民俗文化財)の正月公演が15、17の両日、同地区の日枝神社常設演舞場で上演され、地元住民のほか県内外から大勢の歌舞伎ファンが訪れ、地元役者の名...