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長野日報社

「お試し移住」古民家で 富士見町と山田住建

「お試し移住」の希望者に提供する山田住建の再生古民家

 富士見町と建築会社山田住建(本社諏訪市)は、移住希望者が町内の古民家で暮らしを実体験できる簡易宿泊の受け皿を同町先能につくった。移住希望者が増えるにつれて高まる「お試し移住」のニーズに対応。新型コロナウイルス感染症の拡大動向をにらみつつ、積極誘致の機会に備えた。町の気候風土を肌で感じてもらうともに、隣近所の住民との関わり合いやごみ出しのマナー、家周辺の草刈り、野菜の収穫など「地方で暮らす楽しさ、苦労ともに理解してもらう場にしたい」(町)としている。

 町には現在、移住希望の相談がすでに前年の総件数を上回る勢いで相次ぎ、町内での暮らしを体験できないか-との希望も多く寄せられている。この声を受け、先能区内に古民家を再生したモデルハウスを所有する同社に協力を求め、同社が受け入れ環境を整えた。

 家は江戸時代の建設で築250年以上。2009年に同社が買い取り、再生した。切り妻造りの平屋建て(延べ床面積約130平方メートル)で、当時の建材と技法を生かしつつ、現代生活の利便を融合した造り。同社の山田今朝光会長(68)が「夢想庵」と名付け、愛着を込めて運営管理している。

 「お試し移住」は1泊4000円程度で提供。町が希望を同社に取り次ぎ、地元区との調整、滞在中の生活全般をサポートする。町内の障がい者支援施設との連携も特徴で、コロナ対策の清掃を委託して就労の機会を提供するほか、滞在期間中に同施設で触れ合いながらまき割りや野菜収穫を体験してもらう。

 同社の山田会長は「諏訪地方の空き家を一つでも減らして地域の繁栄に貢献できれば」とし、「地方に暮らし、土地を管理していくのは大変なこと。汗をかき、身をもって感じる体験が大切。土地の人が長年、丁寧に手を入れて住んできた思いに触れ、古民家再生への理解も深めてもらえたら」と願いを込める。

 清掃作業を受託する町地域活動支援センター赤とんぼでも「利用者の活動の幅が広がる。交流も楽しみで、本格移住後の縁にもつながれば」とする。

 町総務課の移住定住専門チームは「新型ウイルスの感染拡大状況から積極的に誘致の手を打てないものの、情勢の変化に即応できる態勢を整えた。行政がコーディネートすることで移住希望者、受け入れ側双方の安心感につながれば」としている。

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