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竹富島「種子取祭」 奉納芸能と儀式中止 戦時中以来か コロナ禍、苦渋の決断

島最大の祭事「種子取祭」。ことしは奉納芸能と儀式が中止になり、神事のみ行う=2018年10月25日撮影

 国指定重要無形文化財・竹富島「種子取祭(タナドゥイ)」のことしの奉納芸能と儀式が、新型コロナウイルス感染拡大防止のため20日、竹富公民館の会議で中止が決まった。ことしの種子取祭は10月8(甲申)~16日(壬辰)の9日間、神司や執行部らで神事のみ執り行う。例年、島最大の祭事期間中は、島民はもちろん県内外から郷友らが訪れ、島は祭り一色になる。

 中止決定の裏には、来月中旬に開催予定の種子取祭会議で予算などを最終決定する前に、タナドゥイの方向性を定める必要があった。タナドゥイは、約600年の伝統があるとされている。儀式や奉納芸能は、島民だけでなく石垣、沖縄本島、東京在の郷友が協力し行っているが、ことしは神司、公民館執行部だけで祈願をする方針。

 内盛館長は「舞台上での儀式、奉納芸能は全て取りやめにした。儀式を一つでもやるとなると、髪結いや化粧、地謡など多くの方の協力が必要になる。お年寄りの多い島で密集し感染リスクを高めることはできない」と苦渋の決断をした。

 公民館代表顧問の前本隆一さん(91)は「私の記憶だと昭和19(1944)年に戦争が激しくなり余興をせず神事だけ行った。夜に明かりが漏れて攻撃されないよう、昼間にユークイをした。ことしはユークイもなく神事だけになる」と話す。

 石垣竹富郷友会の砂川長紀会長は「残念だが、いろいろな祭事やイベントも中止になっているので、受け止めないといけない」と声を落とした。

 例年、島内の各村の民俗芸能保存会は、本番の約1カ月前から奉納芸能の練習を開始するが、ことしは会員同士が顔を合わす機会さえもなくなった。玻座間民俗芸能保存会の亀井保信会長は「練習を通して懇親を深め、最終的に芸能を奉納しているが、その機会が失われた」と寂しそうに話した。また、島ではタナドゥイに合わせ生まれ年の島出身者が帰省するのが恒例。亀井会長は「数十年ぶりに再会を果たす方々もいるのが、それも実現できないのでは」と声を漏らした。

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