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釧路新聞社

湿原の花で蜂蜜づくり【釧路町】

 

巣箱の中の蜂を見せる土橋さん

 釧路湿原で蜂を飼い始め11年目を迎える釧路町の土橋賢一さん(58)の養蜂場では、気温の上昇とともに100万匹以上のセイヨウミツバチの活動が活発になり、せっせと花の蜜を集めている。

 涼しい気候の釧路では蜂の活動期間は5月から8月ぐらいまでに限られるが、今年はぐずついた天候が続いたため、元気に飛び回るようになったのが8月に入ってから。釧路湿原には600種類以上の花が咲くと言われるが、湿原の中でも場所によって、また時期によって花は異なるので、毎年同じ味の蜂蜜はできない。集められた蜜は、巣の中で蜂がはばたいて水分を飛ばし濃度を上げる。自然の状態の蜜を遠心分離機にかけてこし、瓶詰めまですべて手作りした蜂蜜は、糖度の高さと濃い味わいが自慢だ。

 冷涼な道東地方は蜂を育てるのに適した環境で、国内大手の養蜂家が集まる。釧路、根室管内では16社が養蜂を行っているが、ほとんどが九州などから夏の間だけ北海道にやってくる養蜂家で、シーズンを通して1カ所にとどまるのは釧路では土橋さんのみ。

 土橋さんは釧路町の建設会社千倉工業の社長。仕事で訪れた千葉県の会社社長に勧められ、「蜂が花粉をつけて帰ってくる姿がけなげでかわいい」と思って蜂を飼い始めた。専門書やインターネットを見て養蜂の仕事を独学で覚えたが、蜂の育て方は環境や条件によって異なり、同じようにはできなかった。

 蜂の活動時期には女王蜂がいるかなど毎週巣箱を一つひとつ開けて中をチェックしなければならないが、蜂蜜がずっしり詰まった巣箱は重く、防護服を着ての作業はとても暑く重労働。道具をそろえるにもお金がかかるし伝染病の検査を毎年行わなければならないなど、「やってみたいという人にはお勧めできない」と言う土橋さん。だが「蜂は人を刺すというイメージがあるけれど、春先天気が良く花が咲いているときは蜂も手にとまってくれる」と穏やかな表情で語る。

 土橋さんの作る蜂蜜は「蜜鶴(みつる)」の名前で釧路市や釧路町の土産物屋、商店などで販売している。また、釧路町のふるさと納税返礼品、釧路市の菓子店なかじまのカステラにも使用されている。問い合わせは千倉工業養蜂部・電話0154(36)7602へ。

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