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石垣字会「二度と戦争ないように」 避難地経路など追体験

避難地までの経路をたどり追体験する参加者たち=16日午前、外山田地区

慰霊碑に向かい黙とうする参加者たち=16日午前、外山田地区

 石垣字会(森永用朗会長)は16日午前、戦争マラリアを語り継ぐ「沖縄戦後75年石垣住民避難地追体験」を前勢岳ふもとの外山田地区カーラフターゼで行い、字会役員、青年会員や小学生など計40人余りが避難地へ続く山道を登った。現地では戦争体験者の石垣英忠氏(87)、石垣康子氏(85)、仲新城長公氏(86)らが当時の避難地での生活やマラリアの恐怖を語ったほか、潮平正道氏(87)と太田静男氏(72)が講師として当時の状況を解説した。

 「この道は、夜の銀座と言われていたんだよ」。八重山森林組合駐車場に集まった参加者たちに目の前を通る県道208号線を指し示した潮平さん。人通りが少なくなった夜、石油ランプを持って家へ食糧を取りに行く各避難所の人たちの光の明るさの比喩だった。  字石垣では当時、人口2829人のうち1017人がマラリアに感染し、149人が亡くなった。その原因となったのが、1945年6月1日に下った「10日以内に登野城、大川の住民は白水地区へ、石垣、新川の住民は外山田地区へ避難するように」との軍からの避難命令だった。

 「サガリバナなどの植物の木を折らないように。ハブに気を付けて」山道案内人の注意を聞きながら、参加者らは当時の避難地で生活した人たちが通った道を追体験した。ぬかるんだ急斜面を登り、小川をまたいでいく道程に参加した岡山創哉くん(8)は「滑ると思ったらちょっと怖かった。思ったよりきつかった」。

 追体験後、八重山戦争マラリア犠牲者慰霊之碑に向かい1分間の黙とうをささげ、体験者からの証言に耳を傾けた。

 「人間はあんな環境でも生きられるんだと思った」と語ったのは、小学6年生の時にマラリアのまん延する避難地、外山田地区へ向かった石垣英忠さん。芋を炊いていたら、見たこともない人がやってきて、芋ができるまで目の前でずっと座っていたという。「1カ月程度しかいなかったのに、2、3年いた気持ちだった」と話し、「こちらに来るのが何よりも怖い。戦争がないように努力しないといけないと思う」と心情を伝えた。

 当時4年生だった石垣康子さんは、マラリアで母親を亡くした。自身も感染し、髪の毛が全部抜けたという。「学校に行ったら周りの子が笑っていた。私の髪の毛が全部抜けていたから。翌日は学校に行けなかった」とつらい思い出を話し、「この平和がいつまでも続くよう祈っている。もう二度と戦争がないようにしたい」と願った。

 石垣字会の森永会長は「語り継がなければならないという使命感を感じて実施した。戦争を経験していない若者がマラリアについて考える機会としてもらいたい」と話した。

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