若手数学者難問に挑む夏合宿【鶴居】
黒板にさまざまな数式を展開する(左から)鈴木さん、小沢さん、岡安さん、木田さん
国内の若手数学者4人が鶴居村の自然の中で難問の数式に挑む夏合宿が、昨年に続き廃校となった旧茂雪裡小学校の校舎で行われている。今回は2組の家族も同行。子供たちは川遊びや牧場体験を楽しみ、父親たちは教室の黒板に向かって数学のさまざまな可能性を追い求めて自分たちのアイデアを出し合っている。
若手数学者の鶴居合宿は、著名な数学者でアメリカ数学学会から著しい貢献のあった研究者に贈られるフェロー称号を受けている竹崎正道さん(86)が、昨年初めにタンチョウの観察をしたことをきっかけに、鶴居村のネイチャーガイドの板真奈美さんがコーディネート役となり、昨年夏に初めて実現。竹崎さんの孫弟子にあたる京都大、九州大、北海道大の若手数学者4人が鶴居村入りして研究合宿を行った。
今年は京大数理解析研究所の小沢登高(なるたか)教授(45)、北大理学研究院の鈴木悠平准教授(31)、大阪教育大教育学部の岡安類准教授(45)、東大大学院数理科学研究所の木田良才(よしたか)教授(38)の4人が参加。一行は10日から14日までの4泊5日、鶴居村に滞在。竹崎さんは高齢でコロナ対策から今回は参加を見送ったが、多くの若手数学者が鶴居の自然の中で合宿をすることを願っているという。
今年のテーマは、52枚のトランプでシャッフルを繰り返すと、ある一定のところで急激に混ざり合うことを数式で証明するという難題だ。小沢教授は「トランプは徐々に混ざり合うのでなく、急激に混ざり合うことを数学的に証明する」という。木田教授は「説明を聞いている時から面白いと思っていた」と興味津々。小沢教授も「数学者にとって黒板には魔法の力があるといわれる。4人がアイデアを出し合えばこの問題の答えが見えてくるかも」と笑顔を見せた。
今回もコーディネート役を務めた板さんは「昨年参加した人が来年また参加したいと言っている。今回は2組の家族が参加したことが大きい。竹崎先生が願っている形が一歩前に進んできたのでは」と話している。今回の夏合宿では板さんが代表を務めている「チルワツナイの会」のメンバーがボランティアで協力している。カヌーでの川下りや牧場体験、湿原の眺めを楽しむプログラムも取り入れている。
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